『月刊総務』は、全国の総務担当者を対象に「総務の仕事についての調査」を実施し、93人から回答を得た。
- 調査結果 概要
2023年に総務が力を入れたテーマは「社内コミュニケーション」、2024年は「健康経営・ウェルビーイング」に注目が集まる
2023年に総務として力を入れたテーマ及び2024年に総務として力を入れたいテーマについて尋ねたところ、いずれも「社内コミュニケーション」が最多となった。「健康経営・ウェルビーイング」は2023年に力を入れたのは25.8%だったのに対し、2024年に力を入れたいとの回答は37.6%で、より注力したいと考えている企業が増えていることがわかった(n=93)。
※2023年 / 2024年
- 社内コミュニケーション:49.5% / 40.9%
- 健康経営・ウェルビーイング:37.6% / 25.8%
- 経費節減:36.6% / 32.3%
- DX:35.5% / 33.3%
- SDGs:26.9% / 25.8%
- BCP・防災:25.8% / 23.7%
- 採用:24.7% / 25.8%
- ファシリティマネジメント:19.4% / 28.0%
- 研修、オンボーディング:19.4% / 15.1%
- 福利厚生:19.4% / 25.8%
- 人的資本投資:16.1% / 1.1%
- 企業ブランディング:12.9% / 10.8%
- ABW(Activity Based Working):11.8% / 6.5%
- ITセキュリティー:8.5% / 10.8%
- リスキリング:7.5% / 2.2%
- ダイバーシティ&インクルージョン:6.5% / 6.5%
- CSR:5.4% / 3.2%
- 株主総会:5.4% / 7.5%
- コロナ対策:3.2% / 16.1%
- CRE:1.1% / 2.2%
- M&I:0.0% / 0.0%
- 力を入れたことはない:2.2% / 5.4%
<2024年に総務として挑戦してみたいこと/一部抜粋>
- 総務部のブランディング
- 生成AIを活用した業務効率の革新活動
- 地域自治体や企業との一体感をもつイベント等の開催
- リーガルテック
2023年の振り返りを1文字で表すと「変」が1位
2023年を振り返って、総務にとってどのような年だったと思うか1文字で表してもらったところ、「変」が1位となった(n=68)。
- 変:コロナ禍も変化が多かったが、Afterコロナも変化が多かったから
- 進:コロナ禍を経てテレワークやデジタル化などが進んだので
- 健:健康経営というものが、ようやく社内で認められ軌道に乗り始めたので
- 顧:コロナ対策で進めた施策を振り返り取捨選択を迫られる年だったから
2024年の目標を1文字で表すと「挑」が1位
2024年をどのような1年にしたいか1文字で表してもらったところ、「挑」が1位となった(n=66)。
- 挑:これまでは周囲から求められる業務で忙殺されていたが、2024年は自発的に対応したいと思える業務に挑みたい
- 新:既存業務、定型業務に満足せず、会社の変化に貢献する、会社の変化を引き起こす新しい取り組みをやっていきたい
- 楽:今年のモットーは「楽しみ方改革」としたため
<総務として経験してみたい仕事/一部抜粋>
- 本社移転
- ファシリティマネジメント
- 株主総会のコントロール
- セカンドキャリア支援
- 電子帳簿保存法に基づく電子化
- 社内ベンチャー
<総務としてのスキルアップのために実施していることや獲得したいスキル/一部抜粋>
- 宅地建物取引主任者
- 防災士
- 健康経営エキスパートアドバイザー
- メンタル心理カウンセラー、臨床心理士、公認心理士の資格
- 電子帳簿保存法に基づく電子化
- プロジェクトマネジメント力
今の総務は「なんでも屋」、2030年の総務は「プロフェッショナル集団」「経営の参謀」を目指す
今の総務は会社にとってどういう立場だと思うか尋ねたところ、「なんでも屋」が74.2%で最多となった。加えて、2030年に総務は会社にとってどういう立場になっていたいか尋ねたところ、「プロフェッショナル集団」「経営の参謀」がいずれも6割を超えた(n=93)
4割以上の総務が転職意向あり
転職の意向があるか尋ねたところ、「とてもある」と「ややある」が合わせて42.0%と、4割以上が転職を考えていることがわかった(n=93)。
転職したい理由は「総務スキルを生かしてキャリアアップしたい」「年収を上げたい」など
転職したい理由を尋ねたところ、「総務スキルを生かしてキャリアアップしたい」「年収を上げたい」など、ポジティブな理由であることがわかった(n=39)。
<転職したい理由/一部抜粋>
- オールドエコノミーな会社から変化を楽しめる環境で仕事がしたい
- 60歳定年ではなく、長く働ける会社が良い
- 自身が昨今、カウンセリングやキャリコンサルティングや健康運度の資格を取得して実践出来る環境に身を移したい
- 独立含め、会社に依存せず自分の力、自分の責任で働けるようなスタイルを築きたい
<転職しようと思わない理由/一部抜粋>
- 現在の会社でも創造的な仕事ができていて満足しているため
- 総務の立ち位置を上げて戦略部門にしていきたい
- 経営に関わる業務を任せていただいているため
約8割がAIの進展によって総務の仕事はおもしろくなると回答
総務の仕事はAIに代替されると思うか尋ねたところ、「とても思う」と「やや思う」が合わせて57.0%という結果となった(n=93)。
<AIの業務代替についての考え/一部抜粋>
- ルーチンワークなどは、人がしなくても良いと思います
- 結局最後は人の手と目で確認・調整しなければならないと思う
- 雑務部署としてのポジションから脱却しなければAIにとってかわられると思う
<AIやITで代替されてなくなった仕事/一部抜粋>
- 社内問合せ対応業務は、AI回答が進んできた
- 給与明細の電子化
- 文章やスライド資料作成
AIの進展によって総務の仕事はどう変化すると思うか尋ねたところ、「とてもおもしろくなる」と「ややおもしろくなる」が合わせて76.4%と、約8割がAIの進展をポジティブに捉えていることがわかった(n=93)。
<AIに期待すること/一部抜粋>
- 定型化業務(契約書の点検、定期支払、定型文書の作成など)
- 基本的な問合せの対応
- 判断するというよりアドバイスをくれる存在であってほしい
- 反復業務もそうだが、創造性の必要な業務も頼れる部分は頼っていきたい
- チェック機能を任せられる機能があれば人件費削減ができるように思う
- 過去に実施した総務業務のデータベース化
総評
今回の調査では、2023年の総務の振り返りや、総務がこれからのキャリアをどう考えているかについての声が多く集まった。
2023年はLinkedInの「人気急上昇中の仕事トップ10」で総務が2位に入るなど総務の重要性が見直された1年で、その中でスキルを生かしたキャリアアップの機運も高まっている。転職を検討している人もキャリアアップに関わるポジティブな理由が多く、検討していない人も現在の職場で責任ある仕事ができていたり創造的な仕事ができていたりと、自身の貢献を感じられていることがわかった。またAIの台頭についてもポジティブな受け止め方をしている。仕事を奪われるという考えではなく、そこから生まれた時間をいかに使うかに視線を向けているようだ。
2024年の目標として「挑」がトップとなった。それぞれの置かれた環境で、さらなる高みを目指して“挑戦”することに期待したい。
【調査概要】
調査機関:自社調査
調査対象:『月刊総務』読者、「月刊総務オンライン」メルマガ登録者ほか
調査方法: Webアンケート
調査期間:2023年10月12日〜2023年10月23日
■調査結果の引用時のお願い
※本調査内容を転載・ご利用いただく場合は、出典元の表記をお願いします。
例:「『月刊総務』の調査によると」「『月刊総務』調べ」など
※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。
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