月刊総務プラス

アンケート調査:

8割以上がまだワーケーションの導入を検討したことがない。ワーケーションのポジティブイメージは「ワーク・ライフ・バランス向上」。ネガティブイメージは「仕事と休暇の線引きがあいまいになる」

2021-06-03 11:54

 『月刊総務』は、全国の総務担当者を対象に「ワーケーションに関する調査」を実施し、178名から回答を得ました。


【調査結果 概要】
・ワーケーションのポジティブイメージは「ワーク・ライフ・バランス向上」「従業員満足度向上」「テレワーク促進」など
・ワーケーションのネガティブイメージは「仕事と休暇の線引きがあいまいになる」「マネジメントがしづらい」「労務管理が難しい」など
・8割以上がワーケーションの導入を検討したことはない
・ワーケーションを実施した課題は「通信環境」「仕事とプライベートの線引き」など
・ワーケーション導入の不安は「公平性の担保」「仕事とプライベートの区別の曖昧さ」が多数


リリースはこちら

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000060066.html


※グラフはクリックで拡大できます。

約半数がワーケーションを「なんとなく理解」 

Workation1.png ワーケーションとは何か知っているか尋ねたところ、「よく理解している」が22.5%、「なんとなく理解している」が55.1%、「言葉は知っているが内容は理解していない」が18.5%、「言葉を聞いたことがない」が3.9%という結果になりました(n=178)。

・よく理解している:22.5%
・なんとなく理解している:55.1%
・言葉は知っているが内容は理解していない:18.5%
                     ・言葉を聞いたことがない:3.9%

ワーケーションのポジティブイメージは「ワーク・ライフ・バランス向上」「従業員満足度向上」「テレワーク促進」など

 ワーケーションにどんなポジティブなイメージがあるか尋ねたところ、「社員のワーク・ライフ・バランスが向上する」が59.4%で最も多く、「従業員満足度が向上する」が56.5%、「テレワークが促進される」が55.1%と続きました(n=138)。

Workation2.png

・社員のワーク・ライフ・バランスが向上する:59.4%
・従業員満足度が向上する:56.5%
・テレワークが促進される:55.1%
・地方創生や地域課題の解決につながる :41.3%
・社員の健康増進に寄与する:39.9%
・会社のイメージが良くなる:31.2%
・社員のエンゲージメントが向上する:29.7%
・イノベーションの創出につながる:26.8%
・社員の学びや成長の機会になる:23.2%
・社員の生産性が向上する:21.0%
・有給取得が促進される:20.3%
・採用力が向上する:20.3%
・社員の人脈が広がる:15.2%
・SDGsにつながる:13.0%
・ビジネスチャンスが生まれる:11.6%
・社員同士のコミュニケーションが向上する:8.0%
・ポジティブなイメージはない:5.8%
・その他:1.4%

ワーケーションのネガティブイメージは「仕事と休暇の線引きがあいまいになる」「マネジメントがしづらい」「労務管理が難しい」など

 ワーケーションにどんなネガティブなイメージがあるか尋ねたところ、「仕事と休暇の線引きがあいまいになる」が67.4%で最も多く、「マネジメントがしづらい」が65.9%、「労務管理が難しい」が65.2%と続きました(n=138)。

Workation3.png

・仕事と休暇の線引きがあいまいになる:67.4%
・マネジメントがしづらい:65.9%
・労務管理が難しい:65.2%
・ルール作りが難しい:64.5%
・セキュリティリスクが高い:39.9%
・仕事環境や通信環境に不安がある:37.7%
・会社と社員の費用の案分がめんどう:34.8%
・社員同士のコミュニケーションが低下する:27.5%
・導入・運用コストがかかる:15.9%
・社員の生産性が低下する:15.9%
・労災が増える:13.0%
・社員のエンゲージメントが低下する:5.8%
・社員のワーク・ライフ・バランスが低下する:2.2%
・ネガティブなイメージはない:3.6%
・その他:3.6%

8割以上がワーケーションの導入を検討したことはない

Workation4.png ワーケーションを導入しているか尋ねたところ、「導入を検討したことはない」が85.4%という結果になりました(n=171)。

・導入している:3.5%
・導入を検討している:8.8%
・導入を検討したが導入しなかった:2.3%
・導入を検討したことはない:85.4%



<導入した理由/一部抜粋>
・東京でなくても仕事ができる環境になった
・田舎に帰りたい社員や、自然の中の働きたい社員がいた。しかしきっかけは、コロナ感染で都市部を離れたいという理由
・働き方改革の環境整備、促進として

<導入を検討している理由/一部抜粋>
・フルリモートワークに切り替えたので。 福利厚生のひとつとしてありなしをみているところ
・自己啓発、新しい刺激を得るため
・研修宿泊施設の有効活用
・新規事業所を地方で作った際、その自治体から今後も協力関係を持ちたいと評価いただいたことで、まずはそこを起点で導入してみようかということになり、検討を開始している
・全社員がフルリモート勤務で、テレワークに対する社員の理解はあり、ワーケーションを行いやすいため。これまでワーケーションは社員が自由に行っていたが、勤続期間数によって会社が補助する制度を設計中
・働き方改革の一環として
・コロナ対策の一部として
・開発業務ではリフレッシュも必要、IT環境さえあればどこでも業務は可能だから。また、地方とのコミュニケーションは今後の働くスタイルづくりとして早めに取り組んでおきたい

<導入を検討したが導入しなかった理由/一部抜粋>
・会社の制度改定が追い付かず、見送りになってしまった。また、費用負担の割合の設定が難しく難航してしまった
・世の中の新型コロナ感染拡大がおさまらないため

ワーケーション導入の不安は「公平性の担保」「仕事とプライベートの区別の曖昧さ」が多数

<ワーケーションの導入で不安なこと/一部抜粋>
・ルールや公平さを保てるかどうか
・公私の区別。労働時間の管理。 見えないため、本人の自己申告によるところが大きい分不安
・オフィスにいる同僚から仕事中に遊んでいるというイメージをもたれる不安がある。リモートでもしっかり仕事はしているという客観的な評価基準や可視化する取り組みは大事だと思う
・旅行に仕事を持ち込むことがマストになりかねない

ワーケーション導入に踏み出せないのは「経営層の理解」「セキュリティの不安」「テレワークすらできていない」が多数

<ワーケーションの導入に踏み出せない理由/一部抜粋>
・経営者への説得が困難
・製造業なので職種によっては事実上運用できない職場があり、職種間で不公平感が生じてしまうと考えます
・セキュリティリスクの問題がある
・テレワークもおぼつかない状況のため

<どういう設備・制度があればワーケーションを導入しやすいか/一部抜粋>
・働く場所・時間が出退勤と合わせて簡単にかつ確実に登録出来る良い仕組みがあればと思っています
・仕事・成果の評価の仕方を変える必要があると思います
・Wi-Fiの設備や仕事ができるデスクや椅子が完備されている場所はまだ少ない
・廃校等になったスペースをもっと大々的に世の中で活用できるようになると、進むのではないでしょうか
・地方での快適なコワーキングスペース。一般的には、設備が低く、値段も東京よりもはるかに高かったりする
・ワーケーション専用の施設があり、パッケージ化されているものがほしい。セキュリティ面や費用面等、現状は施設によってまちまちすぎて、判別がつかない

総評

 今回の調査では、ワーケーションの実施に踏み切っている企業はほんのわずかで、施策として課題や不安が多くあることがわかりました。

 セキュリティや労務管理に対する課題をどうクリアするのかという壁は大きく、実施事例が少ないので対応法や効果のイメージがつきにくいという意見もありました。テレワークの環境整備は一通りできていても、「ワーケーション」となると、まだまだハードルが高いようです。地方のワーケーション可能な施設等の情報が不足しているという声も複数あり、ワーケーションを受け入れる自治体側の発信不足も一因と考えられます。

 『月刊総務』8月号は、ワーケーション特集です。ワーケーションは、実は社員だけでなく、企業にとっても多くのメリットがあります。今回の特集では、定額制で住まいと働く場所を選べるコリビングプラットフォーム「HafH」を提供する、株式会社 KabuK Style代表の大瀬良亮さんへのインタビューをはじめ、全国に先駆けてワーケーションを推進している和歌山県や先進企業への取材を通し、ワーケーションの本当のメリットや導入する際のポイントなどを紹介しています。まだワーケーションの実例が少ない中で、総務の現場に役立てていただければと思います。


【調査概要】
調査名称:ワーケーションに関する調査
調査対象:『月刊総務』読者、「月刊総務オンライン」メルマガ登録者ほか
調査方法: Webアンケート
調査期間: 2021年5月19日〜5月25日
有効回答数:178件

■調査結果の引用時のお願い
※本調査内容を転載・ご利用いただく場合は、出典元の表記をお願いします。
例:「『月刊総務』の調査によると」「『月刊総務』調べ」など