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近年、SDGsやサステナビリティという言葉とともに、「ESG」という言葉を耳にする機会が増えました。投資にかかわる概念とわかっていても、詳しくは知らない方も多いのではないでしょうか。ESGとは何か、なぜ重視されているのか、企業は何をすべきなのか、ESGのポイントについて本稿にて解説していきます。まずはESGとはいったい何か、正しく理解していきましょう。
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ESGとは
ESGとは、「環境(Environment)」「社会(Social)」「ガバナンス(Governance)」の頭文字を取ったものです。昨今よく耳にする「気候変動」や「カーボンニュートラル」等は、まさに「環境」の話なのでイメージしやすいかもしれません。「社会」は、人権やダイバーシティ、労務管理等。「ガバナンス」は、コーポレートガバナンスやコンプライアンス等が主な観点となります。
このESGが示す3つの観点は、すべての企業の長期的な成長のために必要であるという考えが世界的に広まっています。
ESGが重視されるようになった背景
今、ESGがこれだけ注目を浴びている背景には投資家の存在があります。ご存じの通り、投資家はリスクと投資リターンを注視しますが、このESGが大きなリスクと機会として認識され、企業に対して取り組みを働きかけていることが、現在の大きなムーブメントにつながっています。
ここでいう投資家とは、主に機関投資家のことを指します。機関投資家というと謎めいた存在に感じられますが、年金基金や保険会社のことです。世界の運用資産額の約33%は、彼ら機関投資家が運用しています。
ESGは、ぽっと出の概念ではなく、ひも解くと2006年にまで時代がさかのぼります。当時コフィー・アナン国連事務総長が、国連責任投資原則(PRI)というイニシアチブを発足。世界の機関投資家に向け、投資判断や企業分析にESGを組み込むよう呼びかけました。発足時点でも機関投資家50社が署名。2021年8月時点で署名機関数は、4249社まで増加し、運用資産残高(AUM)は120兆米ドル(約1京3000兆円)以上です。
ちなみに世界最大の年金基金である日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)も2015年9月に署名。私たちの年金もESGを踏まえた運用が行われており、実はESGは身近な存在です。
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