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誰もが一度は耳にしたことのある「労災保険」。しかし、健康保険との相違点、適用対象者、新型コロナウイルス感染症に罹患(りかん)した場合の労災認定など、「労災保険」を正確に理解している人は多くないかもしれません。本稿では今さら聞けない「労災保険」の基礎を中心に3回にわけて徹底解説していきます。
労災保険を理解する
まず、労災保険が何なのか正しく理解していきましょう。
労災保険とは
「労災保険」とは「労働者災害補償保険」の略であり、労働者災害補償保険法(以下、「労災保険法」)に基づき、業務中(業務災害)や通勤中(通勤災害)における労働者のケガや病気等に対して、被災した労働者(死亡した場合はその遺族)に必要な保険給付を行う制度です。
一方、業務または通勤以外で発生したケガや病気に対して必要な保険給付を行うのが「健康保険」です。労災保険と混同しやすいのですが、業務中や通勤中におけるケガや病気に対しては健康保険を使用することができません(医療機関の窓口で健康保険被保険者証を提出してはいけません)。
残念ながら、業務災害または通勤災害であるにもかかわらず誤って健康保険により治療を受けてしまうケースが後を絶ちません(健康保険で治療を受けてしまった場合の対処法については後述します)。
労災保険の適用対象者
健康保険や雇用保険などと異なり、労災保険では「被保険者」という概念がありません。
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