総務の引き出し(SDGs)
企業の未来をつくる「職場の当たり前を支える力」 SX時代に求められる総務の役割とは
一般社団法人サステナブル経営推進機構(通称「SuMPO(さんぽ)」) 代表理事/専務理事 壁谷 武久
最終更新日:
2026年03月25日
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SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)の視点から企業経営と総務の役割を考えてきた本連載も、いよいよ最終章です。企業の未来を支える総務の役割について、あらためて考えます。
企業の信頼が生まれる理由
とうとう今年度の最終稿となりました。この1年間、本連載では「SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)戦略」という視点から、企業経営が直面する構造的な変化と、その中で総務部門が担う役割について、多角的に考察し、書き下ろしてきました。
世界的なサステナビリティ情報開示基準の整合や気候変動、生物多様性、事業継続、サプライチェーンの再設計、人権や人的資本への要請、組織文化の変革など、扱ってきたテーマは多岐にわたりますが、根底に流れていた問いは一つです。
企業は、これから何によって信頼され、何によって選ばれる存在となるのか。
この問いに対する答えは、決して単純ではありません。しかし本連載を通じて自身の考察の中で浮かび上がってきたのは、企業の未来を左右する本質的な力は派手な戦略やスローガンではなく、「未来を見据えて日常をどう整えているか」という極めて基本的な姿勢にあるという事実でした。
そして、その日常を最も深く、最も広く支えているのが総務部門です。総務は、企業の中で最も「当たり前」のことを扱う部門です。
- 人が安全に働ける環境を整えること
- ルールや制度を通じて、公正さと秩序を保つこと
- 情報を適切に管理し、信頼を守ること
- 不測の事態に備え、事業を止めない体制を構築すること
これらはいずれも企業活動の前提条件であり、特別な成果として語られることは多くありません。しかし、これらが一つでも欠けた瞬間、企業はたちまちもろさを露呈します。総務とは、まさに企業の「前提」をつくり続ける仕事なのだとあらためて感じています。
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