総務の引き出し(労務管理)

翌日の始業までに休息期間が取れない場合はどうする? 勤務間インターバル規制強化で検討すべき点

岡田人事労務管理事務所 所長、株式会社ワーク・アビリティ 代表取締役 岡田 良則
最終更新日:
2025年02月07日

厚生労働省が「勤務間インターバル制度」の義務化を検討しています。この制度は、勤務終了後から翌日の勤務開始までに一定の休息時間を確保するもので、現在は企業の努力義務となっています。過労死防止に有効であるとされていますが、導入率が伸び悩んでいるため、努力義務から義務化へ規制強化が検討されています。今回は、制度の概要や義務化の背景について解説します。

勤務間インターバル制度とは

働き方改革関連法で、時間外・休日労働の上限規制が設けられました。これは、月を単位として絶対に超えてはいけない上限を設定したものです。一方で、労働者の暮らしと健康を考えると、月単位の管理だけでなく、日々の生活を送る上でのワーク・ライフ・バランスの確保が必要となります。このような背景から、EUなどではすでに「勤務間インターバル制度」が設けられています。

勤務間インターバル制度とは、1日の勤務終了後から翌日の勤務開始までの間に、一定時間以上の休息期間(インターバル時間)を確保するための制度です。簡単にいうと、夜遅くまで働いた日の翌日は、始業時刻を遅らせるというものです。

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プロフィール

岡田人事労務管理事務所 所長、株式会社ワーク・アビリティ 代表取締役
岡田 良則

企業の就業規則の作成、人事制度の構築などのコンサルティングのほか、労務情報の提供事業などを行う。著書に『人材派遣のことならこの1冊』『就業規則と人事・労務の社内規程集』『サクッと早わかり! 働き方改革法で労務管理はこう変わる』『サクッと早わかり! パワハラ防止法の労務実務』(いずれも自由国民社)ほか。

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