1ヶ月のアクセスランキング
危機管理広報の実務は、平時の備えと緊急時対応に分けて考えます(詳しくは前回に)。今回は、広報担当者や会見者の緊急時対応力向上を目的にしたメディアトレーニングや基礎的知識付与等の取り組み「スキルアップ」を扱います。
3つの「スキルアップ」方法
危機管理広報にかかわる研修は、大きく以下の3つの種類があります。
(1)模擬訓練
模擬訓練は、トラブルが発生したことを想定し、緊急時対応をシミュレーションするものです。「全社一斉訓練」と「メディアトレーニング」に分かれますが、いずれも発生事象の「仮想シナリオ」を用意しておき、訓練を行います。
全社一斉訓練は、いわゆるシミュレーション訓練です。工場発災、個人情報漏えいなど具体的なシナリオで全社的に実施し、電話連絡から会見まですべて行います。危機発生時と同じような経験を積むことができますが、実施コストが膨大です。
メディアトレーニングは、対象者・内容によって細分化されます。記者会見や記者レクを行うときに会見者・説明者となる経営トップや幹部には、模擬の会見やレク等を実施し、状況の説明や記者の質問を受ける経験を積んでもらいます。一方、総務・広報担当者には、会見者・説明者の心理状況を理解するために模擬で記者会見や記者レクを実施したり、電話対応や公表準備のみに絞ったりしてトレーニングを実施しましょう。
※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。