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NTT西日本の子会社「NTTマーケティングアクトProCX」と「NTTビジネスソリューションズ」が2023年10月17日、個人情報の漏えい事案を公表し、新聞・TV・ネットで大きく報道されました。今回は、その事件の広報対応における問題点を解説します。
NTT西日本子会社で顧客情報流出事件が発生
事案や公表、報道状況の概要は以下の通りです。
- 流出規模:約900万件
- 期間:2013年7月頃~2023年1月頃
- 原因:個人情報の管理のずさんさ(USBメモリーに個人情報をダウンロードできる状態)
- 内容:クライアント(59の企業や自治体等)から預かっていた個人情報が、NTT西日本子会社の元派遣社員により不正に流出
- 経緯:2022年4月、顧客から漏えいの可能性があるとして調査依頼があり、内部調査を行ったものの、この時点では漏えいの事実を見つけられなかった
<公表状況>
(1)子会社による記者会見
実施日時:2023年10月17日
公表内容:発生事象と再発防止策の説明
非言及事項:顧客(親会社のNTT西日本を含む)の名称
(2)親会社(NTT西日本)が、子会社に業務委託をしていたクライアントの立場から公表
実施日時:2023年10月17日(ニュースリリース)
公表内容:自社の顧客情報が漏えいしたこと
非言及事項:子会社の管理責任(親会社としての立場での責任に言及なし)
(3)親会社(NTT西日本)が、親会社の立場で社長による「ぶら下がり会見」を実施
実施日:2023年10月20日
公表内容:親会社としての責任を認めた一方、記者から情報発信の対応を問われたが「問題なかった」との認識を示した
(4)NTT西日本を除くクライアント側の公表(主なもの)
10月17日 福岡県、東京都足立区、千葉県千葉市などの広域・基礎自治体
10月18日 沖縄県、三重県、大阪府豊中市などの広域・基礎自治体および民間企業の一部
10月19日 静岡県富士市など基礎自治体および森永乳業、山田養蜂場など民間企業の一部
10月20日 奈良県橿原市や日本学生支援機構など
(5)NTT(グループ本社)決算会見でのNTT社長コメント
実施日時:2023年11月7日
公表内容:お客さまへのおわび、グループ全体でのUSBメモリー使用に関する再発防止策など
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