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今回から、社内広報の領域に絞って来期の活動計画を検討するヒントをお伝えします。まずは、インターナル・コミュニケーション(IC)の注目度が高まっている背景を整理します。
ICの注目度向上は「組織開発」ブームが起点
社内広報は近年、「経営機能としてのインターナル・コミュニケーション(以下、IC)」というニュアンスで語られることが多く、注目度が高い状態が続いてきました。初めに、この注目度が高まった背景について振り返ってみましょう。
まず、2010年頃から人事領域で「組織開発」がブームとなったことが一因として挙げられます。組織開発は、組織単位でワークショップを実施したり、小集団活動を行ったりするもので、かつて1970年代後半から1980年代にかけて一度ブームになった手法です。個々の「人」の能力開発ではなく、「組織」としての能力を開発しようとする考え方であり、批判を恐れずにざっくりいうと、人間関係に焦点を当て、チームワークが向上すれば成果につながるという発想が基になっています。
当時は、組織開発を実現するためのワークショップの品質を担保する企画者・設計者・ファシリテーターが決定的に足りない上に、その品質があまり良くないために成果が出ず、廃れてしまいました。組織開発が再び脚光を浴びるようになったのは、ワークショップのデザインやファシリテーションを大学院などで理論的・実践的に学ぶことができる環境が整ったことが大きいでしょう。ワークショップの種類についても、即興演劇や光がない真っ暗な環境で助け合う体験などさまざまなアプローチが編み出されていきました。
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