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早いもので2026年の年始から1か月が過ぎ、3月決算の企業・組織・自治体では新年度が近づいてきました。新年度に向けて、広報活動の見直しや検討を進めていることと思います。近年、さまざまな業務において生成AIの導入・活用が進んでいますが、広報の領域ではどのように生成AIを活用すればよいのか悩む方も少なくないでしょう。そこで今回は、広報業務において生成AIを活用する際の基本的なポイントを整理します。次回は生成AIの普及に伴うWeb広報の変化を扱う予定です。
広報業務での生成AIの活用状況
生成AIは、広報業務でどの程度活用されているのでしょうか。日本広報学会「生成AIを活用した広報研究会」が2024年10月から11月にかけて実施した調査では、37.2%の導入率でした。用途は主に「コピーやタイトルの案出し」(62.2%)、「記事要約や情報収集」(62.2%)、「企画の壁打ち」(55.6%)、「プレスリリース類の作成」(46.7%)でした。
また、日経BPコンサルティングが2025年3月から4月に実施した「広報・IR部門向け生成AI活用状況調査」では、利用中の生成AIツールとして、ChatGPTが67.0%で首位、これにMicrosoft Copilot(43.2%)、AI議事録作成ツール(21.6%)、Gemini(20.5%)が続いていました。利用範囲では、「個人単位で必要に応じて活用」が約半数の47.1%で、「一部の業務で試験的に活用」が29.4%、「部門全体で正式に導入し、積極的に活用」が22.5%でした。用途は「会議議事録の作成」(45.5%)、「記事の収集・要約・分析」(40.9%)、「プレスリリースの自動生成・多言語化(翻訳)」(38.6%)、「企画書、プレゼン資料の作成」(35.2%)が3割を超えています。
2つの調査結果をまとめると、おおよそ以下のような傾向が見えてきます。
- 部門として正式にAIを導入している企業は多くはないが、部門または個人で試験的に活用を進めている状況
- 具体的には議事録の作成、クリッピング、公表資料作成時の補助的活用などが中心
時間がかかる業務の効率化を中心にしているようすが見えてきますが、生成AIの特徴である大量のデータの分析や、カスタマイズ性があるナレッジ形成(社内文書などを読み込ませることで自社専用の専門知識を持ったAIとして運用すること)まで踏み込んではいないようです。おそらく、試験的利用が多いため、無料で生成AIを活用できる範囲(入力したデータがAIの学習に利用されてしまう可能性がある)にとどめているのでしょう。
ただ、今後数年間で試験的導入の実績を踏まえて正式導入に移行する企業は増えると考えられます。「入力したデータがAIの学習に利用されないこと」を前提に、正式導入によってどのようなことが実現できるのかご紹介しましょう。
広報業務での生成AIの活用(初級~中級編)
活用状況の調査結果にあったように、文章・画像・動画・資料等を「作成」する業務はAIによる効率化を実現しやすいです。
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