総務の引き出し(SDGs)

サーキュラーエコノミーを企業の成長戦略につなげるには? 利益を生む5つのビジネスモデル

一般社団法人サステナブル経営推進機構(通称「SuMPO(さんぽ)」) 代表理事/専務理事 壁谷 武久
最終更新日:
2026年06月29日

循環経済(サーキュラーエコノミー)は、今や環境配慮から「成長戦略」へ変わっています。今回は、資源の制約や規制を好機と捉え、回収・循環の仕組みで利益を生む5つのビジネスモデルを整理します。

循環ビジネスはなぜ成長するのか

(1)資源制約が新たな市場を生む

循環経済が「環境対応」から「成長戦略」へと位置付けを変えた背景には、資源制約の深刻化があります。資源価格が不安定になるほど、企業は「安く買う」よりも「確実に確保する」、「安定的な供給」に価値を置くようになります。ここに循環ビジネスの市場が生まれます。

たとえば、回収した材料を再資源化して再び生産に戻す仕組みがあれば、一次資源の高騰局面でも供給の安定性を確保できます。さらに、回収・再利用・再資源化を含む循環の仕組みを持つ企業は、単にコストを下げるだけでなく「循環を価値として売る」ことが可能になります。

つまり循環ビジネスの成長要因は、社会貢献や道徳、善意ではなく、資源制約という経済合理性そのものにあります。

(2)規制が市場を強制的につくる

循環ビジネスのもう一つの成長要因は規制です。欧州を中心に、製品の耐久性、修理可能性、再生材含有率、情報開示などが要求される時代に入りつつあります。こうした規制は、企業に「循環の仕組みを持つこと」を事実上の市場参入条件に変えていきます。

規制が進むと、循環対応を支える周辺サービスも市場化します。回収物流、選別、再資源化、リファービッシュ、認証、トレーサビリティ、データ基盤などです。これは、従来はコストセンター(直接的な利益を生まない管理・運営部門)と見られがちだった領域が、収益を生む産業へと変わることを意味します。

(3)循環は顧客接点を増やし、収益源を多様化する

かつての線形経済では、製品は売って終わりです。しかし循環型モデルでは、修理、保守、回収、再生産・販売など、顧客との接点が長期化します。ここに、継続収益が生まれます。

また、循環は「顧客体験」の向上にもつながります。たとえば、故障しても修理が早い、部品供給がある、買い替えではなくアップグレードができる、といった価値は、価格競争からの脱却に寄与します。循環は、差別化と収益安定化の手段になり得るのです。

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プロフィール

一般社団法人サステナブル経営推進機構(通称「SuMPO(さんぽ)」) 代表理事/専務理事
壁谷 武久

経済産業省を経て、2007年4月、一般社団法人産業環境管理協会に転籍。2019年6月、一般社団法人サステナブル経営推進機構を設立、同10月に同機構に移籍し現在に至る。2023年10月、株式会社LCAエキスパートセンターを設立、代表取締役社長を経て、代表取締役会長を務める。現在は、SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)戦略の実現に取り組んでおり、企業経営や地域経営における未来戦略作りにチャレンジ中。

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