総務の引き出し
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総務の引き出し(SDGs)
「産業戦略」でもある欧州グリーンディール 循環を支える仕組み化とデータ化とは
一般社団法人サステナブル経営推進機構(通称「SuMPO(さんぽ)」) 代表理事/専務理事 壁谷 武久
最終更新日:
2026年07月30日
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資源循環を強制する新たな市場ルールに対し、日本企業はどう向き合うべきか。規制をコストではなく勝機に変えるために、今押さえておくべき変革の要点を解説します。
欧州グリーンディールとは何か
(1)欧州グリーンディールは、「環境政策」ではなく「産業戦略」
欧州グリーンディール(European Green Deal)は、一般には「脱炭素政策」として紹介されることが多いですが、その本質は環境政策にとどまりません。欧州が目指しているのは、気候変動対策を起点にしながら、経済構造そのものを転換し、欧州企業の競争力を高めることです。
欧州は、日本と同様、化石燃料や鉱物資源の多くを域外から輸入しています。資源を海外に依存するということは、価格変動や供給停止といったリスクを常に抱えるということです。欧州はこの構造的弱点を補うために、資源をできる限り域内で循環させる仕組みを制度として整備・運用しようとしています。
つまり、欧州グリーンディールは、「環境を守るための政策」というより、「欧州が国際競争の主導権を握るための産業戦略」として理解する必要があります。
(2)グリーンディールの中核に「循環経済」が位置付けられている
グリーンディールは、エネルギー、産業、建築、交通、農業など幅広い分野を対象としていますが、その中で循環経済(サーキュラーエコノミー)は極めて重要な柱として位置付けられています。
なぜなら、脱炭素を実現するためには再生可能エネルギー設備やEVなどの導入が不可欠ですが、それらの普及は金属資源や重要鉱物の需要を急増させます。つまり、脱炭素の推進は、資源制約を深刻化させる側面を持っています。
欧州はこの矛盾を回避するために、資源循環を制度化し、域内で資源を回すことで、脱炭素と資源安全保障を同時に実現しようとしているのです。
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