総務の引き出し
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総務の引き出し(労働法)
本業終了後、副業先へ移動中の事故は通勤災害になる? 副業における労災保険の適用・給付の疑問
安西法律事務所 弁護士 鈴木 祐治
最終更新日:
2026年06月03日
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近年、終身雇用や年功序列の崩壊に伴い、労働者が一社に依存せず多様な働き方を選択できる環境整備が求められていた。そこで、政府は、経済・社会環境の変化や企業のイノベーション促進、労働者の自己実現・キャリア形成を支援する目的で、働き方改革の一環として副業・兼業を柔軟な働き方の一つとして位置付け、従来の「副業原則禁止」から「原則容認・推進」へと転換し、厚生労働省は2018年1月に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定し、その後も数次の改定が行われている。さらに、新型コロナ感染拡大に伴う休業やリモートワークの活用拡大により、副業・兼業を行う労働者も増加傾向にある。
そこで、今後は副業中の労働災害(以下、労災)の事案も増える可能性があることから、労働者が副業を行っている場合の労災保険の適用や給付について解説する。
本業先の業務終了後、副業先へ向かう途中の事故の通勤災害該当性
(1)通勤災害
通勤災害とは、労働者が通勤により被った負傷、疾病、障がいまたは死亡をいう。労災保険法上の「通勤」とは、労働者が就業に関し、以下に掲げる移動を、合理的な経路および方法により行うことをいい、業務の性質を有するものを除くものをいう(労働者災害補償保険法(以下、労災保険法)第7条第2項)。
- 住居と就業の場所との間の往復(第1号)
- 就業の場所からほかの就業の場所への移動(第2号)
- 住居と就業の場所との間の往復に先行し、または後続する住居間の移動(単身赴任者の赴任先住居と帰省先住居間の移動)(第3号)
(2)副業・兼業の場合
2の就業の場所からほかの就業の場所への移動は、同一事業主の中で2つの事業場で就労する場合に限らず、労働者が、第1の就業(本業)と第2の就業(副業・兼業)の両方で雇用されている場合の第1の就業(本業)の事業場から第2の就業(副業・兼業)の事業場への移動時も該当する。したがって、第1の就業(本業)の事業場から第2の就業(副業・兼業)の事業場への移動時に起こった災害についても、通勤災害として労災保険給付の対象となる。
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