総務の引き出し(SDGs)

サステナブル人材育成は「企業文化づくり」から トップ・管理職・現場で取り組み「自分ごと」に

一般社団法人サステナブル経営推進機構(通称「SuMPO(さんぽ)」) 代表理事/専務理事 壁谷 武久
最終更新日:
2026年02月19日

SX経営が企業に定着するほど、その成否を分けるのは設備投資でも制度設計でもなく、最終的には「人」と「文化」です。どれほど立派な脱炭素戦略やESG方針を掲げていても、企業トップが明確な意思表示を行うとともに、社員一人ひとりが理解し、自分ごととして行動に移せなければ、企業は変わりません。
そして、企業文化をつくり、人材が育ちやすい環境を整える役割を持つのが総務部門です。企業文化の「母体」を担っているからこそ、SX経営の時代において、総務の役割はこれまで以上に戦略的な位置付けを持つようになっているのです。
今回はサステナブル人材とは何者か、企業文化はどのように形成されるのか、そしてその中で総務は何をすべきかについて、簡潔に解説していきたいと思います。

サステナブル人材とは誰か

企業がSX経営を実行するには、知識、実践力、そして共感力を併せ持った人材が必要です。しかし、「サステナブル人材」という言葉はさまざまな場面で使われており、その定義は曖昧です。そこで、企業実務に沿った形で私なりにサステナブル人材像を図表1のように整理してみました。

この3つの基礎能力がそろうことで、社員は単なる社会貢献にとどまらず、社会課題を内部化し、自分ごととして捉え、自社の事業を動かす「未来価値の創り手」へと成長することが可能となります。

図表1:サステナブル人材の3つの基礎能力

基礎能力 詳細 特徴的な行動例
(1)未来価値の創造 環境・社会課題対応を「コスト」ではなく「未来価値」として捉える 業務改善や新規提案(製品開発、サービスメニュー等)にESG視点を自然に組み込む
(2)組織横断型の結束力 サステナビリティ課題は複合的で縦割りでは解決しない 調達・品質・総務など複数部署との結束力をリード
(3)行動変容・実践力 知識・情報を実務へ落とし込み、小さな成果を積み上げる力 日常業務の中で脱炭素・資源循環のための取り組みを実践する

※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。

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プロフィール

一般社団法人サステナブル経営推進機構(通称「SuMPO(さんぽ)」) 代表理事/専務理事
壁谷 武久

経済産業省を経て、2007年4月、一般社団法人産業環境管理協会に転籍。2019年6月、一般社団法人サステナブル経営推進機構を設立、同10月に同機構に移籍し現在に至る。2023年10月、株式会社LCAエキスパートセンターを設立、代表取締役社長を経て、代表取締役会長を務める。現在は、SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)戦略の実現に取り組んでおり、企業経営や地域経営における未来戦略作りにチャレンジ中。

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