大企業の中途シフトはピンチ? それともチャンス? 中小企業が打つべき3つの「逆張り」採用戦略
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日本の採用市場で徐々に、しかし決定的な地殻変動が起きています。大企業の中途採用シフトです。日本経済新聞の「採用計画調査」によれば、主要企業の採用に占める中途比率は2023年度の37.6%から2024年度43.0%、2025年度には46.8%と過去最高を更新し続けています。新卒一括採用の牙城であったメガバンクの三菱UFJ銀行でさえも、中途採用が新卒採用を上回る計画を打ち出しました。リクルートワークス研究所の調査においても、「中途採用の割合を増やす」と答えた企業が「新卒採用の割合を増やす」企業を初めて上回っています。
この動きの本質は何か ――。身もふたもないいい方をすれば、「自分で育てる」ことをやめて、「よそが育てた人材をいただく」方向への転換です。新卒を採って5年、10年かけて一人前にするコストと時間を、他社に肩代わりさせる。「横取り作戦」と呼んでいいかもしれません。個社の経営判断としては合理的です。しかし、全員が横取りに回れば、労働市場全体では「育てる主体」が消えていきます。誰かが育てなければ、即戦力の供給源そのものが痩せ細ります。これは典型的な誤りであり、そのゆがみは必ずどこかに表れるでしょう。
中小企業の「新卒は採れない」は、これからも正しいのか
さて、この大企業の行動変化を、中小企業はどう読むべきでしょうか。
これまで中小企業の採用は、圧倒的に中途採用中心でした。新卒採用を実施している中小企業は3割程度にとどまり、採用の主軸は中途という構図が長く続いてきました。背景にあるのは「新卒はどうせ採れない」というあきらめです。実際、その実感を裏付ける数字もあります。2026年卒の大卒求人倍率は、従業員300人未満の企業では8.98倍。一方、5000人以上の大企業は0.34倍。学生1人を9社で取り合う中小企業と、3人の学生から1人を選べる大企業。この落差を前に、新卒をあきらめて中途に活路を求めるのは、これまでは自然な判断でした。
しかし私は、この前提がこれから崩れていくと見ています。理由は2つあります。
第1に、中途市場こそが激戦区になるからです。実は現時点ですでに、需給の逼迫度は中途の方が上です。dodaの転職求人倍率は2026年5月時点で2.44倍。対して2027年卒の大卒求人倍率は1.62倍です。市場全体で見れば、新卒より中途の方が「1人当たりの求人」が多い。つまり採りにくいのです。そこへ、資金力と知名度で圧倒的に勝る大企業が本格参入してきます。中小企業がこれまで通り中途市場だけで戦い続ければ、正面から大企業とぶつかり、報酬でもブランドでも競り負ける場面が増えるのは目に見えています。
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