新型コロナウイルス(COVID-19/以下、コロナ)の感染拡大を機に、テレワークを導入した企業は少なくないだろう。2023年5月にコロナが感染症法上の5類に移行され、テレワークから出社に戻す企業も目立ったことで、「出社回帰」「オフィス回帰」といった表現が話題となったが、実際はどうだったのだろうか。『月刊総務』では、「テレワークの実施状況」について、2021年2月~8月、2022年1月~2024年9月と継続的に調査していた。その経過をここで簡単に振り返っていきたい。
2021年は約8割の企業が「テレワーク」を実施。2024年現在の状況は?
まず、2021年の状況(図表1)から見ていくと、コロナ禍真っただ中だけあって「主にテレワークをしている」「部分的にテレワークをしている」を合わせて約8割と、テレワークを実施する企業が大半を占めていた。
2022年からは選択項目を細分して詳細にテレワーク状況を調査(図表2)。波はあるものの、2022年~2023年の初めまでは、テレワークを「全社的に実施(出社日が設定されていない)」している企業が半数近くあった。「テレワークを実施していない」フル出社の企業は2021年の状況同様に、2割程度にとどまっており、「一部の部署で実施」する企業も含めて、テレワークを実施する企業は約8割に上っている。
5類への移行が見えてきた2023年3月から「全社的に実施(出社日が設定されていない)」する企業の割合が2、3割程度に落ち着つき始め、その代わりに「一部の部署で実施(出社日が設定されていない)」「テレワークは実施していない」と回答した企業が増加傾向になっている。
2023年9月に「一部の部署で実施(出社日が設定されていない)」する企業が4割を超えたが、その後3割前後で推移した。「一部の部署で実施」していた企業もフル出社に切り替えたのか、「テレワークを実施していない」企業が右肩上がりに増加し続けた。2024年8月には「テレワークを実施していない」企業が4割まで数字を伸ばしており、「出社回帰」「オフィス回帰」をうかがわせた。
その一方で、いまだに一部の部署でもテレワークを継続している企業が6割に上り、「出社回帰」「オフィス回帰」と強調するほどフル出社に戻す企業は多くない。テレワークの定着と働き方の多様化の広がりによって、現在はテレワークとオフィスのそれぞれの働き方のメリットを取り入れたハイブリッドワークが潮流となっているといえそうだ。
【調査概要】
調査機関:自社調査
調査対象:『月刊総務』読者、「月刊総務オンライン」メルマガ登録者ほか
調査方法: Webアンケート
調査期間:2021年2月~8月/2022年1月~2024年9月 各月1、2週間程度
有効回答数:各月によって異なる
※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。
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