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『月刊総務』は、全国の総務担当者154人を対象に、「地方創生に関する調査」を実施した。
- 調査結果 概要
6割以上の企業が地方創生に関心あり
地方創生への関心度について尋ねたところ、「とても関心がある」24.7%、「やや関心がある」37.7%で、あわせて62.4%が関心を持っていることがわかった(n=154)。

地方創生に取り組んでいる企業は33.7%。内容は「地域の企業・団体との連携事業」が最多
地方創生につながる投資や取り組みを行っているか尋ねたところ、「積極的に行っている」と「一部行っている」をあわせて33.7%が、何らかの取り組みを実施していることがわかった。「検討はしているが、まだ実施していない」との回答も22.1%にのぼり、関心と実際の取り組みにギャップがあることが明らかとなった(n=154)。

実施している内容について尋ねたところ、「地域の企業・団体との連携事業」が55.8%で最も多く、 「地元人材の採用・育成」が46.2%、「地域のイベント・教育活動への協賛」が42.3%と続いた(n=52/地方創生に取り組んでいる企業)。

地方創生に取り組む理由は「地域課題の解決による社会貢献」「企業のブランド価値向上」「地方人材の採用・育成」など
地方創生に取り組む理由について尋ねたところ、「地域課題の解決が社会貢献につながると考えているから」が69.2%で最も多く、「企業のブランド価値向上につなげたいから」が44.2%、「地方の人材を採用・育成する機会を広げたいから」が38.5%と続いた(n=52/地方創生に取り組んでいる企業)。

<取り組みを通じた変化/一部抜粋>
- 地域の現状、ニーズを知ることができ、そこから連携も生まれた。
- 地域連携・貢献によって地域での存在価値の向上につながっている。
- 社員が地域とのつながりを意識した取り組みに積極的に挑戦する環境が醸成された。
- 外部からの評価が高まった。
- 本業の売上につながった。
取り組まない理由は「リソース不足」が最多
地方創生に取り組まない理由について尋ねたところ、「リソースが不足しているから」が30.4%で最も多く、「自社には関係が薄いと感じているから」が28.4%、「経営層の理解・関心が低いから」が27.5%と続いた(n=102/地方創生に取り組んでいない企業)。

企業が地方創生に取り組む課題は「成果の見えづらさ」が最多
地方創生の取り組みを進める上での課題について尋ねたところ、「成果が見えづらい(評価しにくい)」が55.2%で突出しており、「担当者の負担が大きい」が40.9%、「担当部門がなく、推進体制が不明確」が37.7%と続いた(n=154)。

地方創生の取り組みで注目を集めているのは「地域の企業・団体との連携事業」「地元人材の採用・育成」など
企業として地方創生の取り組みを進める上で注目している分野について尋ねたところ、「地域の企業・団体との連携事業」が45.5%で最も多く、「地元人材の採用・育成」が37.0%、「地域のイベント・教育活動への協賛」が31.2%と続いた(n=154)。

総評
今回の調査から、6割以上の企業が地方創生に関心を寄せている一方で、実際に取り組んでいるのは3割強にとどまり、関心と行動の間に大きなギャップがあることが浮き彫りとなった。背景には、リソース不足や経営層の理解不足、さらには「何から始めればよいかわからない」という課題が存在している。
しかし、取り組みを進めている企業からは「地域企業との新たな連携が生まれた」「社員が地域とのつながりを意識するようになった」といった声があがっている。これは、地方創生が単なる社会貢献にとどまらず、社員のエンゲージメント向上や企業のブランド価値強化といった人的資本経営の成果に直結していることを示していると考えられる。
総務部門には、こうした取り組みを一過性のCSR活動として終わらせず、持続可能な事業戦略として定着させる役割が期待される。地方創生を「企業と地域が共に成長する仕組み」として位置付ける視点が、これからの総務に求められる重要な役割だといえるだろう。
【調査概要】
調査機関:自社調査
調査対象:『月刊総務』読者、「月刊総務オンライン」メルマガ登録者ほか
調査方法: Webアンケート
調査期間:2025年7月9日〜2025年7月16日
■調査結果の引用時のお願い
※本調査内容を転載・ご利用いただく場合は、出典元の表記をお願いします。
例:「『月刊総務』の調査によると」「『月刊総務』調べ」など
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