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『月刊総務』は全国の総務人事担当者を対象に「企業ブランディングとSNS活用についての調査」を実施し、100名から回答を得た。
- 調査結果概要
- 7割が企業ブランディングに力を入れている
- 9割以上が企業のSNS活用は必要だと考えている一方、半数以上が自社のSNS活用は「全く進んでいない」と回答
- SNS活用が進んでいない理由は「ノウハウがない」「何をすればいいかわからない」
- 企業が活用しているSNSは「YouTube」がトップで、3割は何も活用していない。
- SNSを活用する目的は、1位「会社の知名度向上」2位「採用」3位「製品・サービスのプロモーション」
- 約4割が従業員のSNS利用を「管理していない」。社名を出すことを推奨しているのは100社中5社
- 4割以上が従業員のSNS活用について「何も取り組んでいない」
- 100社中8社がSNSアカウントの炎上・トラブル経験あり
- 8割以上が、今後SNSの活用を推進する意向
7割が企業ブランディングに力を入れている
企業ブランディングに力を入れているか尋ねたところ、「とても力を入れている」と「やや力を入れている」が合わせて70.0%と、7割が企業ブランディングに力を入れていることがわかった(n=100)。
9割以上が企業のSNS活用は必要だと考えている一方、半数以上が自社のSNS活用は「全く進んでいない」と回答
企業のSNS活用についてどう思うか尋ねたところ、「とても必要」と「やや必要」が合わせて94.0%と、9割以上が企業のSNS活用は必要だと考えていることがわかった(n=100)。
<SNS活用が必要だと思う理由 / 一部抜粋>
- 幅広い世代でSNSを使用する頻度や時間が増加しているから。
- タイムリーな情報発信に役立つから。
- ダイレクトリクルーティングに使える。
- 若者は自分で調べない。レコメンドされて生きているので、目に触れてもらうため、レコメンドに乗るためにSNSでの発信が必要。
- 若年層だけではなく、SNSを利用している世代は広がっているし、最新の情報が得られるから。
自社のSNS活用についてどう思うか尋ねたところ、「とても進んでいる」は2.0%にとどまり、「全く進んでいない」が51.0%という結果になった(n=100)。
ほとんどの企業がSNS活用は必要だと考えているが、半数以上が全く進んでおらず、理想と現実のギャップが明らかになった。
SNS活用が進んでいない理由は「ノウハウがない」「何をすればいいかわからない」
SNS活用が全く進んでいないと回答した企業に対し、SNS活用が進んでいない理由を尋ねたところ、「ノウハウがないから」が41.2%で最多となった(n=51/SNS活用が全く進んでいない企業)。
企業が活用しているSNSは「YouTube」がトップ。3割の企業は何も活用していない
会社として活用しているツールを尋ねたところ、「YouTube」が41.0%で最も多く、「Twitter」が35.0%、「Facebook」が32.0%と続いた。また、「活用しているものはない」が30.0%と、何も活用していない企業が3割に上ることもわかった(n=100)。
SNSを活用する目的は、1位「会社の知名度向上」2位「採用」3位「製品・サービスのプロモーション」
SNS運用に関わっている総務に、SNSを活用する目的を尋ねたところ、「会社の知名度向上」が89.7%で最も多く、「採用」が72.4%、「製品・サービスのプロモーション」が65.5%と続いた(n=29/SNS運用に関わっている総務)。
<SNS運用で工夫していること / 一部抜粋>
- 発信のルールを決め、炎上等のリスクに対応している。
- 可能な限り労力をかけずにフォロワー数等を伸ばしアカウントを育てるため、不要な投稿をしない、コンバージョン等における無茶な目標設定をしない、接触する時間を限定するといった効率化を行っている。
- 社員の表情を見せる。
- 個人アカウントの影響力を利用している。
<SNS運用で難しいこと / 一部抜粋>
- 広まりやすい反面、受け手の解釈によっては炎上に発展するリスクも高く、発信には気を遣う。
- コンプラに抵触しないよう配慮すること。
- 継続すること。
- 何のためにするのか目的を共有すること。
- セキュリティ管理。
約4割が従業員のSNS利用を「管理していない」。社名を出すことを推奨しているのは100社中5社
従業員が社名を出してSNSを利用することを許可しているか尋ねたところ、「管理していない」が41.0%で最多となった(n=100)。
積極的に社名を出すことを推奨している5社に対し、従業員がSNSを利用して企業PRをすることに対する報奨制度があるか尋ねたところ、報酬制度があるのは1社のみだった。
4割以上が従業員のSNS活用について「何も取り組んでいない」
従業員のSNS利用についてどのような取り組みをしているか尋ねたところ、「何も取り組んでいない」が41.0%で最も多く、取り組みとしての最多は「ガイドラインを設けている」で37.0%という結果になった(n=100)。
100社中8社がSNSアカウントの炎上・トラブル経験あり
企業アカウントや従業員のアカウントが炎上したりトラブルになったりしたことがある企業は100社中8社という結果になった(n=100)。
8割以上が、今後SNSの活用を推進する意向
今後のSNSの活用意向について尋ねたところ、「もっと活用したい」と「やや活用したい」が合わせて82.0%と、8割以上がSNS活用に意欲的であることがわかった(n=100)。
<SNSを活用したい理由 / 一部抜粋>
- 若手採用に活かしたいから。
- 会社の認知度をあげて、新たなビジネスや人材確保に役立てたい。
- ホームページだけでは発信力がないから。
<SNSを活用したくない理由 / 一部抜粋>
- リスクが大きいように感じるため。
- トラブル対応を行う余裕が今はないため。
- ノウハウがないから。
総評
今回の調査では、企業のSNS活用の必要性は高まっているものの、実際には活用は十分に進んでいないことが明らかになった。
企業が活用しているツールで「YouTube」が最も多かったのは、意外に感じられた方もいるかもしれない。前回実施した「Z世代のマネジメントについての調査」でもあったように、若い世代へのアプローチとして動画に注目が集まっている。短い動画が好まれる傾向から、今回の調査では利用が2.0%にとどまった「TikTok」も、今後企業による活用が増えるかもしれない。
こうしてSNS活用に注目が集まる中で、炎上リスクに対する懸念の声も複数上がった。従業員のSNSに関するリテラシー向上は不可欠だ。ガイドラインの作成や研修など、総務が主導して進める必要があるだろう。
【調査概要】
調査名称:企業ブランディングとSNS活用についての調査
調査機関:自社調査
調査対象:『月刊総務』読者、「月刊総務オンライン」メルマガ登録者ほか
調査方法: Webアンケート
調査期間:2022年11月8日〜2022年11月28日
有効回答数:100件
■調査結果の引用時のお願い
※本調査内容を転載・ご利用いただく場合は、出典元の表記をお願いします。
例:「『月刊総務』の調査によると」「『月刊総務』調べ」など
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