『月刊総務』調査

5割超の企業がリファラル採用を実施。インセンティブ支給企業の半数が10万円以上

月刊総務オンライン編集部
最終更新日:
2026年09月14日

『月刊総務』は、全国の総務担当者を対象に「リファラル採用に関する調査」を実施し、105人から回答を得た。

  1. 調査結果 概要

リファラル採用に取り組む企業は5割超、対象職種は「中途採用(総合職)」が最多

リファラル採用への取り組み状況を尋ねたところ、「採用方法の主軸として積極的に取り組んでいる」が7.6%、「採用方法の一部として取り組んでいる」が47.6%となり、合わせて5割超が現在取り組んでいると回答した(n=105)。

<リファラル採用の対象としている職種・採用区分(n=58/リファラル採用を実施している企業)>

  • 中途採用(総合職):82.8%
  • 中途採用(専門職):75.9%
  • 管理職採用:43.1%
  • 新卒採用:36.2%
  • アルバイト・パート採用:22.4%
  • 派遣・契約社員採用:13.8%

リファラル採用の実績は「1割未満」が最多、今後は「1~2割程度」を目指す企業が最多

直近1年間の採用者数全体に占めるリファラル採用経由の割合を尋ねたところ、「1割未満」が56.9%で最も多く、「2~3割程度」が12.1%となった(n=58/リファラル採用に取り組んでいる企業)。 一方、今後目指したい割合では「1~2割程度」が31.5%で最も多く、「1割未満」が27.4%、「2~3割程度」が13.7%となった。リファラル採用の比率を大幅に高めるというより、一定程度の活用を目指す企業が多いことがうかがえる(n=73/今後リファラル採用を強化したい企業)。

取り組む目的は「自社に合う人材の採用」が最多

リファラル採用に取り組む目的を尋ねたところ、「自社に合う人材の採用」が82.8%で最も多く、「入社後の定着率向上」が62.1%、「採用コストの抑制」が50.0%と続いた。自社との相性や入社後の定着を意識していることがうかがえる(n=58/リファラル採用に取り組んでいる企業)。

「社員への周知」以外の施策は、実施状況に差が生じる

リファラル採用を進めるにあたり、制度設計や運用面で実施していることを尋ねたところ、「社員向けに制度内容を周知している」が72.4%で最も多く、「紹介時の流れやルールを明確にしている」が46.6%、「紹介してほしい職種・ポジションを明確に伝えている」が39.7%と続いた(n=58/リファラル採用に取り組んでいる企業)。

7割以上が紹介者へのインセンティブを設定、金額は10万円以上が半数

リファラル採用における紹介者へのインセンティブの有無を尋ねたところ、7割以上の企業がインセンティブを設けていることがわかった(n=58/リファラル採用に取り組んでいる企業)。

<インセンティブの金額(n=43/紹介者へのインセンティブを設けている企業>

  • 1万円未満:4.7%
  • 1万~5万円未満:0.0%
  • 5万~10万円未満:20.9%
  • 10万~50万円未満:46.5%
  • 50万円以上:4.7%
  • 決まっていない・入社者により異なる:23.3%

リファラル採用成功の鍵は「紹介したいと思える組織風土」

リファラル採用を成功させるために、会社として必要だと思うことを尋ねたところ、「社員が『知人に紹介したい』と思える組織風土があること」が69.5%で最も多く、「社員が自社の魅力や特徴を理解していること」が60.0%、「社員が自社の課題や大変さも含めて説明できること」と「紹介してほしい職種・人物像が明確になっていること」がそれぞれ46.7%と続いた(n=105)。

社員が自社の魅力や課題を伝えられる企業は5割超

社員が自社の魅力や課題を知人に適切に伝えられる状態にあると思うか尋ねたところ、「とてもそう思う」が5.7%、「ややそう思う」が48.6%で、合わせて54.3%となった。一方、「あまりそう思わない」が41.9%、「全くそう思わない」が3.8%となり、約半数が社員による自社の説明に課題を感じていることがわかった(n=105)。

ミスマッチ防止や入社後の定着のための施策は、「カジュアル面談」が最多

リファラル採用において、候補者とのミスマッチ防止や入社後の定着につなげるために実施していることを尋ねたところ、「紹介された候補者とのカジュアル面談などの機会を設けている」が53.4%で最も多く、「通常応募と同様の基準で選考するようにしている」が50.0%、「自社の魅力だけでなく、課題や大変さも候補者に伝わるようにしている」が48.3%と続いた(n=58/リファラル採用に取り組んでいる企業)。

効果は「定着」と「自社との相性」に高い実感

通常の採用手法と比べてリファラル採用にどのような効果を感じているか尋ねたところ、「入社後の定着につながりやすい」が62.1%で最も多く、「自社との相性が良い人材を採用しやすい」が60.3%、「採用コストを抑えやすい」が46.6%と続いた(n=58/リファラル採用に取り組んでいる企業)。

成果として重視するのは「入社後の定着率」

リファラル採用の成果として重視しているものを尋ねたところ、「入社後の定着率」が50.0%で最も多く、「入社後の活躍・評価」が32.8%、「候補者との相互理解の深さ」と「現場とのマッチ度」がそれぞれ31.0%と続いた(n=58/リファラル採用に取り組んでいる企業)。

リファラル採用の効果測定を「行っている」企業は2割

リファラル採用の効果測定を行っているか尋ねたところ、効果測定を行っている企業は2割にとどまった(n=58/リファラル採用に取り組んでいる企業)。

<効果測定の方法/一部抜粋>

  • 歩留まり率(紹介から「書類選考」「面接」「内定」「承諾」に至る各プロセスの通過率)
  • 営業実績などを評価している
  • 通常採用との比較 ・採用単価 ・定着率

課題のトップは「不採用時・辞退時の紹介者との関係への配慮」

リファラル採用を進めるうえで課題だと感じていることを尋ねたところ、「不採用時・辞退時に紹介者との関係へ配慮が必要」が39.7%で最も多く、「紹介が一部の社員に偏る」が37.9%、「社員に制度が浸透していない」が29.3%と続きました。制度そのものだけでなく、紹介者と候補者、企業との関係をどう設計するかが課題となっている(n=58/リファラル採用に取り組んでいる企業)。

未実施の理由は「紹介後の対応や関係調整が難しそう」

リファラル採用を実施していない理由を尋ねたところ、「紹介後の対応や関係調整が難しそう」が35.7%で最も多く、「運用方法がわからない」が21.4%と続いた(n=42/リファラル採用を実施していない企業)。

  • 紹介後の対応や関係調整が難しそう:35.7%
  • 運用方法がわからない:21.4%
  • 社員に紹介を依頼しにくい:19.0%
  • 公平性の面で懸念がある:19.0%
  • 採用規模が小さく必要性を感じていない :19.0%
  • 現場部門の理解・協力が得られない:16.7%
  • 人材の同質化につながりそう:11.9%
  • 他の採用手法で足りている:9.5%
  • その他:4.8%
  • 特に理由はない :16.7%

約7割がリファラル採用を強化したい意向あり

今後、リファラル採用を強化したいと考えているか尋ねたところ、「とても強化したい」が18.1%、「やや強化したい」が51.4%で、合わせて69.5%が前向きな姿勢を示した(n=105)。

総評

今回の調査からは、リファラル採用が自社との相性や入社後の定着までを見据えた採用手法として活用されていることがわかった。社員自身が自社を理解し、知人に紹介したいと思える組織風土が、リファラル採用を機能させる上で重要な要素として挙げられている。

一方で、紹介者と候補者、企業との関係性への配慮や、紹介が一部の社員に偏るといった課題も明らかとなった。制度を導入するだけでなく、紹介する側・される側双方にとって無理のない仕組みを整え、公平な選考や入社後のフォローまで含めて設計することが重要だ。

総務には、社員が自社の魅力や課題を理解し、自然に人へ伝えられる組織づくりにつなげていく役割が求められる。採用活動を通じて社員の会社理解を深め、組織と人材のつながりを育てていく視点が、これからの総務には重要になるだろう。


【調査概要】
調査機関: 自社調査
調査対象:『月刊総務』読者、「月刊総務オンライン」メルマガ登録者ほか
調査方法: Webアンケート
調査期間: 2026年7月9日〜2026年7月17日

■調査結果の引用時のお願い
本調査内容を転載・ご利用いただく場合は、出典元の表記をお願いします。
例:「『月刊総務』の調査によると」「『月刊総務』調べ」など

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