指針の適用から3か月が経過。対策は大丈夫? 努力義務化で求められる「高年齢者労災防止」の要点
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労働災害による休業4日以上の死傷者数のうち、60歳以上の労働者が占める割合は、近年増加傾向にあります。また、高年齢労働者は、若年者と比較して災害が起きた際の休業期間も長い傾向があります。高年齢者の就労が一層進むと予測される中、高年齢者が安心して安全に働ける職場環境の実現が求められています。
これらの状況を背景に、労働安全衛生法に基づき、高年齢労働者が安全かつ健康に働ける職場環境を実現するために、事業者が講ずべき措置として「高年齢者の労働災害防止のための指針」が2026年2月に公示されました。この指針は2026年4月1日から適用され、従来のガイドラインに代わって事業者の努力義務の内容を具体的に示しています。「高年齢労働者」+「努力義務」ではありますが、若年者を含めた職場の安全衛生を改善する取り組みを推進するのが望ましいでしょう。
取り組みの基本方針と組織体制
本指針は、一人の被災者も出さないという基本理念の下、高年齢者の特性(身体機能の低下など)に配慮した作業環境の改善や作業管理を適切に実施することを目的としています。事業者は、事業場の実情に応じて、国や関係団体(労働災害防止団体など)の支援を活用しながら、労働者と連携して対策を進めることが求められます。
まず、組織的な取り組みを継続するために、経営トップが自ら高年齢者の労働災害防止に取り組む方針を表明し、責任ある担当者や組織を指定して体制を明確化する必要があります。安全衛生委員会などがある場合はそこで調査・審議を行いましょう。会社規模により、安全衛生委員会などがない場合でも「労働者の意見を聴く機会」を設けて労使で話し合うことが重要です。
また、産業医や保健師を活用した健康管理体制の整備や、風通しの良い職場風土づくりも有効とされています。
特性を考慮したリスクアセスメントの実施手順
高年齢者の特性を考慮したリスクアセスメント(危険源の特定と対策の優先順位検討)が不可欠です。
危険源の洗い出し
過去の災害事例やヒヤリハット事例を活用します。特に、加齢に伴う筋力、認知機能、感覚機能の低下(フレイルやロコモティブシンドロームなど)が労働災害につながるリスクを考慮します。
対策の優先順位
対策は以下の順番で検討します。
- 危険な作業の廃止・変更
- 手すり設置や段差解消などの工学的対策
- マニュアル整備などの管理的対策
- アシストスーツなどの個人用装備の使用
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