早いもので上半期の一区切りが見えてくる時期になりました。自治体等の公的組織では次年度の予算検討時期ですし、民間企業でも次年度予算に向けて情報収集を進める頃でしょう。
昨今、「広報戦略を策定したい」「広報活動の効果検証をしたい」という相談を受けることが増えました。ご相談いただく際の戦略や効果検証のスコープは、広報活動全般の総合的な内容の場合もありますが、自治体では魅力発信(まちの魅力の自治体内外への発信)または全庁広報(広報課が担う業務範囲)の領域、民間企業ではインターナルの領域に特化した戦略や危機管理広報の対応を主眼にした相談が多いです。
一方、相談内容をよく聞くと、文字通り「戦略」の策定が必要な場合もあれば、注力すべきテーマを明確にした「方針・計画」を検討した方がよい場合もあります。「広報戦略」という言葉が便利なこともありさまざまな場面で使用されますが、概念としてそもそも広報戦略とはどういったものなのかを解説します。
広報活動とは
広報活動は、専門家や研究者によってさまざまな定義がされています。多くの場合、広報は「ステークホルダーに対する情報の受発信(双方向コミュニケーション)によって、ステークホルダーとの良好な関係の構築・維持をはかるもの」とされています。
この定義では、「情報の受発信」が手段であり「良好な関係の構築・維持」が目的という関係になります。手段である「情報の受発信」は、報道対応、HP、SNS、広告、広聴活動、直接対話などのさまざまな広報活動を含むことが理解できます。一方、「良好な関係の構築・維持」という言葉は抽象的で粒度が粗く、わかるようでわからない概念です。
私はこの「良好な関係」を細分化したものが広報活動の原理原則であり、広報活動の原理原則は「態度変容」だと考えています。この「広報=態度変容」は古い考え方だと主張する意見もありますが、主張の中身は「広報は態度変容にとどまるものではない」という発展的・拡張的なものであり、原理原則が態度変容であることを否定するものではありません。また、態度変容に代替する概念を原理原則だと示すものもありません。これらのことから、広報活動の原理原則は「態度変容」だと理解しましょう。
態度変容とは
では、態度変容とは具体的に何を指すのでしょうか。主に、次の3つの要素から成り立っています。
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