総務・人事こそ知っておきたい 組織の積極的な「声上げ文化」を支える「感情的報酬」とは?
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4~6月までの本連載では、社内広報の接触状況に関する実態調査の結果を紹介しました。この調査によって、「社内広報が従業員に『感情的報酬』を付与していること。また、感情的報酬の付与が『声上げ文化(スピークアップカルチャー)』を下支えしている」という興味深い結果が得られました。
声上げ文化とは、従業員が不正・懸念やアイデアを、会社・上司にためらうことなく提言・意見できる組織文化を意味します。この文化ができれば、不正・トラブルの早期発見につながるため「企業倫理・コンプライアンス」が強化されるでしょう。また、役職にかかわらず多様な視点やアイデアを共有しやすくなるため、社内コミュニケーションの活性化にもつながります。新製品・サービスの創出や部門間連携などイノベーションの創出を支えるものといえるでしょう。
総務・広報の領域でいえば、昨今は品質・データの偽装行為や、会社の管理責任が問われる役員・従業員の犯罪行為、ハラスメントなどの不祥事が目立っており、あらためて「企業倫理・コンプライアンス」に対する注目度が増しています。また、転職の活性化や働くことに対する価値観の多様化に伴って、社内コミュニケーションの活性化は、職場環境(場づくり)や後押し策(社内広報)に加えて、風通しのよい組織文化づくりそのものにアプローチするものとしての重要性も高まっています。
今回から、数回に分けて「総務・広報視点での感情的報酬」について紹介していきます。
感情的報酬とはなにか?
そもそも「感情的報酬」とは何でしょうか? 報酬という言葉からは、きっと「金銭的報酬」などが浮かぶはずです。関連する言葉を以下の表で整理しましょう。
| 報酬の種類 | 概要 | |
|---|---|---|
| 有形報酬 | 金銭的報酬 | お給料やインセンティブなど、労働の対価として支払われる報酬 |
| 非金銭的報酬 | 福利厚生や能力開発機会など、制度や仕組みとして与えられる報酬 | |
| 無形報酬 | 感情的報酬 | 従業員の内面に生じる精神的な充足状態の報酬(承認など) |
この感情的報酬は、組織行動・組織心理の分野を中心にさまざまな研究がなされています。ここでは、総務・広報の実務にあった視点で、感情的報酬の概念を、定義や捉え方を紹介します。
まず、総務・広報視点で感情的報酬を定義すると、以下のようになります。
総務・広報視点での感情的報酬の定義
金銭的・物質的な報酬では満たされない、従業員の心理的・社会的ニーズを満たす無形の報酬形態。
自分自身の能力・努力・プロセスに対する直接的な「承認」に加えて、自身が同一視する身近な他者や組織全体が「承認」されること(栄光浴)、さらには自らが他者を「承認」するプロセス自体から獲得される心理的充足状態(誇り、帰属意識、有意義性など)のこと。
少し難しい表現になってしまったので、この定義についてさらに解説していきましょう。
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