今年も残りわずか。2023年は「不祥事会見」が話題になることの多い一年だったように思います。中古自動車販売などを手掛ける「ビッグモーター」や大手芸能事務所「ジャニーズ事務所」による記者会見が世間をにぎわせました。今回は、その2例の問題点を挙げ、そこから危機管理広報の事前準備として外注を依頼しておく重要性などを解説します。
ビッグモーターの記者会見の問題点
修理費の水増し請求問題を受け、経営体制の変更を公表したビッグモーターの会見は、社長の発言に批判が集まりました。
主な会見内容は(1)経営トップは不正を知らなかった、(2)トップの指示が上級管理者によって曲解され現場に落とし込まれていた、(3)トップの責任として辞任を発表、経営体制を変える、という3点。これらのメッセージは、会見の質疑応答の中で首尾一貫しており、ブレはありませんでした。一方、報道機関や世論は社長の対応に対し「トップが現場に責任を押し付けた」「トップが現場を守らなかった」と、責任逃れという受け止め方をしています。
こうなった原因としては、会見の実施が遅れたことで疑念が膨らんだこと、会見の準備に時間的余裕がなかったことなどが挙げられます。時系列を簡単にまとめると以下になります。
- 2021年秋 自動車保険の不正請求が表面化
- 2023年1月 同社が弁護士をトップにした特別調査委員会を設置
- 2023年7月5日 同社が特別調査委員会の調査結果を受領したことを公表(内容非公開)
- 2023年7月18日 同社が特別調査委員会の調査報告書全文を公表
- 2023年7月25日 同社が記者会見を実施
会見に至るまでに元従業員によるSNS投稿や、水増し請求以外にも街路樹枯死問題があり疑惑は深まる一方でした。また、調査報告書を受領してからも、一時しのぎの対応として受領した事実のみ公表(全文は非公表)、全文を公表、会見を実施という流れに誠意が感じられないとする人も多くいたでしょう。
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