前回、プレスリリースの定義と、記者がプレスリリースにどう接しているか、そして毎日膨大に届くプレスリリースの中から、記者の「1次審査」を乗り越える必要があることをお伝えしました。今回は、この乗り越え方についてご紹介します。
記者は情報価値の有無を見極める
新聞・テレビなどメディアは、読者に価値のある情報を届ける役割を担っています。情報を届ける過程で、記者は「仕入れ」(取材)と「1次加工」(記事作成)を担っています。記者が書いた記事は、デスクによって取捨選択や2次加工され、整理・校閲記者による品質検査の上、新聞・テレビ報道を通じて読者・視聴者に届きます。
企業が発信しているプレスリリースは、記者から見れば仕入れのフェーズ。しかも、仕入れの「スタンス」は、記者が発注(取材依頼)しているのではなく、受動的に提案を受けて仕入れの採否を決めている状態です。この採否判断は、いわゆる「ニュースバリュー」の有無です。記者は膨大に届くプレスリリースの発信元、タイトル、写真は必ず見ますが、特に「タイトル」が勝負です。記者が目を留めるプレスリリースは、タイトルに情報価値(ニュースバリュー)をいかに多く盛り込むかがポイントです。
タイトルに情報価値を多く盛り込む
私自身は記者経験があるので、広報実務担当者の側になったとき、肌感覚で情報価値の有無を判断していました。言葉としては「ネタになるか」「記事になるか」です。この「ネタになる」「記事になる」という感覚は、記者は経験を積む過程でピンとくるようになるので、記者同士あるいはデスクとの会話の中で細かく認識を合わせることはありません。
ところが、広報の実務担当者の立場になって、この言葉の客観性の乏しさに戸惑いました。主管部との調整や広報部署内でのプレスリリースの要否判断の際に、「これはネタになる・ならない」「記事になる・ならない」と話しても、なぜそういえるのか相手に理解してもらえません。
これでは調整が円滑に進まないため、3か月程度、新聞・テレビで取り上げられているニュースを1件ずつ、どのような情報価値があるのか(なぜそのニュースが取り上げられたのか)を分析して、情報価値を大きく8つの「要素」に整理しました。
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