2025年12月に掲載された「総務のマニュアル」と「総務の引き出し」をご案内します。
- 総務のマニュアル:総務をはじめとするバックオフィス部門において話題のテーマの実務ノウハウを、毎月短期集中連載として複数回に分けて紹介
- 総務の引き出し:業務に直結する最新トピック(広報/労働法/BCP/労務管理/デジタル化推進/採用/メンタルヘルス/税務/SDGs/ハラスメント)について各専門家が解説
総務のマニュアル「『また働きたい』と思ってもらうには? スキマバイト時代の現場マネジメント術」
企業が利用するメリットは人材確保だけじゃない! あの人気ゲームから読み解くスキマバイトの役割

近年、「スキマバイト(スポットワーク)」という働き方が急速に注目を集めています。しかし、急速な普及に対し、企業側の制度設計や現場の受け入れ体制が追いついていない側面も見られます。そこで本企画では、活用のヒントとして、スキマバイトが広がる背景や活用における留意点、現場マネジメントのポイントなどについて3回に分けて解説。初回となる今回はスキマバイト市場拡大の背景と活用のメリットについて紹介します。
スキマバイト活用のメリットの裏に潜む2大リスク 総務・人事と現場、それぞれが留意すべきことは?

前回は、「スキマバイト(スポットワーク)」が注目される背景と企業の活用メリットを解説しました。慢性的な労働力不足などを背景に市場は拡大しており、企業にとって短期的な労働力確保や需給ギャップの「調整役」として有効です。しかし、急速な普及に対し、企業側の制度設計や現場の受け入れ体制が追いついていない側面も散見されます。まさに現実のニーズが先行し、制度や運用が後追いしている状況です。
今回は、こうしたスキマバイト人材活用の「影」の部分、すなわち企業が直面するリスクと留意すべきポイントについて、大きく2つの側面(ガバナンスと現場マネジメント)に分けて解説していきます。
「穴埋め要員」思考は失敗のもと! スキマバイト人材を生かす3つの現場マネジメントスタイル

前回ご紹介した通り、「スキマバイト(スポットワーク)」活用の現場では、管理者側から「仕事を教えるのが大変」「人物像がわかりにくい」といった困惑の声が聞かれます。一方で働く側からも「仕事の教え方がわかりにくい」「マニュアルがない」「従業員の態度が冷たい」といった不満が浮き彫りになっています。これらの課題は、個々の資質の問題というより、「従来のOJT前提の現場運営」と、「事前情報ゼロで単発的にかかわるスキマバイト」という働き方の特性との間に生じる構造的なミスマッチに起因していると、私は捉えています。
従来の延長線上で、単に労働力不足の「穴埋め」として割り振るだけでは、現場の混乱や疲弊は解消されません。最終回となる今回は、このミスマッチを乗り越え、スキマバイト人材を「生かす」ために求められるマネジメントのポイントを、パーソル総合研究所の調査から見えた3つの方向性から解説します。
総務の引き出し(広報)
ハンズの不正アクセス、サントリー会長の辞任……話題になった今年の危機管理広報事例を振り返る

早いもので2025年が終わろうとしています。残り1か月ほどありますが、危機管理広報の領域をテーマに、2025年に報道・SNSをにぎわせた主な危機事象を振り返っていきましょう。
総務の引き出し(労働法)
個人事業主の業務上の災害も労基署に報告すべき? 2025年5月公布、改正安衛法の対応ポイント

今回は、フリーランスに対する安全衛生対策の推進を中心に、労働安全衛生法(以下、「安衛法」という)改正を取り上げる。2025年5月14日に安衛法が改正公布されたが、その改正項目は多岐にわたる上、一部の企業のみに影響のある改正も少なくない。そこで、本稿では、企業の労務に影響の大きいものや多くの企業に影響が出る改正を中心に解説する。
総務の引き出し(BCP)
インシデント発生で人手も資金も足りない……。復旧活動をする上で欠かせない「3つの条件」とは?

ひとくちに「復旧」といっても、大地震からの復旧とサイバー攻撃からの復旧とでは、復旧の形が全く異なります。前者はがれきの撤去や建物などの修理・修復、後者はPCとネットワークシステムの復旧が中心です。しかし、どんな形の復旧であれ作業を効率的に進めるための共通項があることも事実です。今回は第4回で紹介した図表1「危機発生~事業継続対応の4つの活動要件」の「(4)復旧活動に不可欠な条件とは何か?」を中心に説明していきます。
総務の引き出し(労務管理)
代行サービスから届く突然の退職通知に慌てない! 自己都合退職で企業が押さえるべきルール

労働者が自己都合退職するときに、退職願を提出し、会社が承認するのが一般的です。しかし、近年では、退職代行サービスを利用した退職などにおいては、一方的な通知により退職するケースも少なくありません。今回は自己都合退職(任意退職)について、確認してみましょう。
総務の引き出し(デジタル化推進)
ついやっていませんか? 年末に急増する「シャドーAI」 無許可のAI利用によるリスクとは

生成AIの急速な普及により、企業の現場では日々AIツールが活用されるようになっています。その一方で、企業が正式に許可していないAIサービスを従業員が個人の判断で業務に用いる「シャドーAI(Shadow AI)」が深刻化しつつあります。これは、ChatGPTやClaude、Geminiといったチャット型AIに限らず、AI翻訳や文章要約、画像生成など、多様なAIツールにも共通する課題です。個人アカウントで簡単にログインし、即時に利用できることが問題を一層複雑にしています。
シャドーAIは、業務効率化のためとして軽視されがちですが、情報漏えい、法的リスク、ガバナンスの崩壊など、企業全体に深い影響を与える危険な行為です。そして、このシャドーAIが最も増える時期が「年末」です。今回は、年末にシャドーAIが急増する理由と、その背後にある構造、そして総務が年末のタイミングで着手すべき対策について解説します。
総務の引き出し(採用)
「スキル」重視がミスマッチを招く? 【真面目な人ほど要注意】中途採用を邪魔する3つの思い込み

「もう新卒だけでは人が集まらない」 ―― そう感じて、中途採用に力を入れ始めた採用担当者の方は多いのではないでしょうか。ところが、募集を増やしても「母集団が集まらない」「採用してもすぐ辞めてしまう」といった声も同じくらい耳にします。私はその背景に、「真面目な担当者ほどとらわれやすい思い込み」がいくつもあると感じています。
中途採用の難しさは、「正しそうに見えるやり方」が、環境の変化によって逆効果になり始めているところにあります。本稿では、採用担当者の方が善意から陥ってしまいがちな3つの思い込みを取り上げ、どこにリスクが潜み、どのように工夫すればよいかを整理してみたいと思います。
総務の引き出し(メンタルヘルス)
部下のメンタルヘルス不調サイン、見逃していませんか? 明日からできる「ラインケア」のポイント

これまでの記事では、メンタルヘルス不調により休職した方への対応を中心に、リワークの活用方法などについてお伝えしてきました。今回は、そうした方をサポート・管理する立場の人が意識すべき「ラインケア」の観点について解説します。
総務の引き出し(人事教育研修)
労働時間の上限規制緩和が実現するとどうなる? これからの「働かせ改革」と長時間労働の設計法

今秋発足した新政権では「働き方改革」の見直しが厚生労働大臣に指示が出され、「労働時間の上限規制の緩和」の検討が行われる方向です。厚生労働省HPの「上野大臣会見概要」には「大臣就任に当たっては、総理から、心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和の検討を行い、働き方改革を推進するとともに、安心して働くことができる環境を整備するという指示があったところだ」という回答が掲載されています。
労働時間規制は、GDPへの影響といった経済的な視点や過労死、ワークライフバランス(以下、WLB)、人材の多様性などの社会的な視点、そして企業の競争力への貢献など経営的な視点など多岐にわたって議論される問題です。
今回は、労働時間や人事管理に関する経済学や経営学の知見も活用しつつ、今回の「見直し」に関する企業としての捉え方と対応方法について検討していきます。「働き方改革」ではなく「働かせ改革」の視点で、企業の成長と従業員の福利を実現する人事管理について論じてみたいと思います。
総務の引き出し(SDGs)
「サステナビリティ開示基準」は調和の時代に 国際ルールを踏まえて日本企業に求められる対応

SX経営は今、世界的に「共通ルール」の時代に入りつつあります。かつて各国・各企業が独自に進めていた環境・社会への取り組みは、いまや国際的な基準群(ISSB、CSRD、TNFD、CBAMなど)によって再定義され、「何を・どのように開示するか」が企業の信頼を左右する段階にきています。これは単なる情報開示の話ではなく、経営・調達・生産・通商までを含めた企業活動そのものの再設計を意味します。
今回は、2023年以降に相次いで施行・発効された主要な国際基準の流れを整理しながら、それが日本企業、特にグローバルに事業を展開する大手企業の総務部門にどのような実務的インパクトをもたらすのかを解説します。
総務の引き出し(コミュニケーション)
取引先・お客さまに喜ばれる年末年始の手土産術 あいさつ回りや会食で差がつく選び方と渡し方ガイド

年末年始になると取引先やお客さまのところへ出向き、あいさつ回りをする人もいるでしょう。忘年会や新年会など会食の機会も増えそうですね。そのようなとき、ちょっとした手土産を渡すことがありますが、「手土産って、どんなものがいいの?」「値段はいくらくらい?」「渡すタイミングは?」など意外と頭を悩ませることがあるのではないでしょうか。今回はそういった悩みにお答えします。
「親の意向が内定辞退を左右する時代に? 広がる『オヤカク』との向き合い方」
内定承諾に親の意見を重視 新卒採用の場で注目される「オヤカク」に企業はどう向き合う?

近年、採用現場で「オヤカク(親確認)」への対応が重要視されています。内定辞退の背景に親の意向が影響するケースが増え、企業には内定者だけでなく家族を意識した情報提供や対応が求められています。本連載では、「オヤカク」が注目される背景や企業に必要な配慮、信頼構築につながる工夫や事例を解説します。今回は、まず「オヤカク」とは何か、その基本を整理していきます。
「オヤカク」は内定辞退を防ぐためじゃない 内定者と親を企業のファンにするチャンスに

前回は、オヤカクとは何かについて紹介しました。今回はオヤカクへの対応ポイントを解説していきます。
特別企画
今からでも間に合う! 総務必見・年末年始のオフィス大掃除のポイント【実務チェックリスト付き】

いよいよ年末、社内でも「大掃除」のワードが飛び交う季節になりました。とはいえ、総務担当者にとって年末は、年次処理・契約更新・あいさつ回りなどで多忙を極める時期。「今さら間に合うのか?」と感じている方も多いのではないでしょうか。結論からいえば ―― 今からでも十分、間に合います。 重要なのは「掃除そのもの」ではなく、新年のスタートをスムーズにし、来期のオフィス改善計画へつなげる仕組みを整えること。本記事では、整理収納アドバイザーの江川佳代さんへの取材を基に、年末の大掃除を「安全・効率・衛生」の3視点で捉え直し、今すぐできる整理整頓・設備点検・廃棄ルール作りについて、具体的なチェックリストとともにポイントを紹介します。 さらに、来年から「大掃除がいらない職場」を実現するための5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)の定着方法や、 半年ごとの定期点検に向けたチェック体制のつくり方も解説します。
バックオフィスの改革は年末から! 戦略総務が実践する「年間業務スケジュールの振り返り・棚卸し」

総務の仕事は、年間を通して計画的に進めるべき業務が多くあります。そのどれもが期限を守らなければ企業全体に影響を及ぼす、重要で責任の重いものばかりです。年末年始は一年の業務を振り返り、翌年の総務スケジュールを整える絶好のタイミングです。本記事では、総務・バックオフィス実務と経営全般の支援に長年携わってきた中小企業診断士・ブランドコンサルタントの松本典子さんに、「年末に最低限押さえておきたい3つのポイント」と「翌年の年間スケジュール作りのコツ」をうかがいました。
【年末年始読書特集】15人の愛読書を大公開! 総務担当者におすすめしたい「神本」セレクション

早いもので、2025年も残りわずかとなりました。今年の年末年始休暇は例年より長く、9連休という方も多いかもしれません。そこで「月刊総務オンライン」編集部では、この年末年始休暇に「読書」によるインプットを提案。今回は14人の方に、ご自身の愛読書の中から総務担当者におすすめの書籍を教えていただきました。加えて、月刊総務代表の豊田も1冊厳選してご紹介します。
バイブルとなるような本から、日々の業務に役立つ実用書まで、幅広いラインアップがそろいました。少しでも気になる書籍があれば、年末年始を自宅でゆっくり過ごす予定の方はもちろん、帰省や旅行の移動中など、時間が空いたときに読んでみてはいかがでしょうか? あなたにとっての「神本」が見つかるかもしれません。
連載「災害時ライフハック:防災士が紹介する「もしも」のための裏技・アイテム」
本当にホカホカご飯は食べられる? 話題の「カイロでパックご飯を温める方法」を検証してみた

11月になっても暖かい日が続いていた今年ですが、12月に入ると朝晩は特に冷え込むようになってきました。ますます寒さが厳しくなってくるであろうこれからの季節、必ず防災リュックや備蓄に加えてくださいとお伝えしているのが、「使い捨てカイロ」です。使い捨てカイロの用途は体を温めることですが、SNSでは最近、防災食を温める活用法も見掛けます。
自分や大切な人の命を守るライフハック、防災グッズレビューなどを防災士がお届けしている本連載。今回は、使い捨てカイロで防災食を温める方法は本当に災害時に活用できるのか、実際に検証した結果をご紹介します。災害時にあると便利なおすすめ防災グッズも併せてご紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。
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