絶好調なチームほど危ない? エンゲージメントのわなを防ぐために広報ができること
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前回まで、従業員が異論や提案を積極的にいい合う「声上げ文化」に焦点を当ててきました。株式会社タンシキが実施した「感情的報酬に関する実態調査」の結果を紹介しながら、高い成果を出しており、エンゲージメントが高い従業員であっても、「失敗が許されない」「期待を裏切れない」という強い「心理的呪縛」にとらわれる可能性があることを指摘しました。こうした層は弱音を吐けず、トラブルを一人で抱え込みやすくなり、結果として重大なガバナンス違反につながりかねません。せっかくエンゲージメントサーベイのスコアが高まっても、組織にとって大きなリスクとなる可能性があります。
では、これを回避し、組織を「健全」に保つために、総務・広報担当者は明日から何をすべきなのでしょうか。
エンゲージメントサーベイのスコアが良い状態の部門・部署も問題がないか疑ってみる
株式会社タンシキ(経営・広報研究所)は、全国の就労者1059人を対象に、承認ややりがいといった「感情的報酬」の充足状況に関する実態調査を行いました。
調査概要
- 調査期間:2026年7月13日
- 調査対象:現在就労中の常勤役員または正規雇用者(従業員10人以上の企業・組織に勤務)
- 調査方法:インターネット調査
- 有効回答数:1059人
まずは、自社の中に思わぬリスクが潜んでいないかを確認しましょう。エンゲージメントサーベイを実施している場合は、スコアが高い部門・部署についても問題がないと決めつけず、以下のような観点で疑ってみてください。
- 事業の中核を担っている部門・部署か(責任感が強くなり、失敗が許されない・期待を裏切れないという心理状態になりやすい可能性)
- 他部門との人事交流があるか(人事交流がほとんどないと閉鎖的・サイロ化しやすく、隠ぺい衝動が増す可能性)
- 経営や監査の指摘を放置・無視するようなことがないか(特権的な意識を持っていると、自分たちは間違っていない、自分たち以外の捉え方が間違っていると責任転嫁をしやすくなる可能性)など
エンゲージメントサーベイは、スコアの向上が至上命題ではあるものの、「スコアが高ければ良いとは限らない」という捉え方も重要です。もし、スコアが高いにもかかわらず、上記のような項目の危険性がある場合は、対象部門の若手社員や中途入社の社員、あるいは、OB・OGに話を聞きに行ってみましょう。若手や中途入社の社員は、組織風土に染まり切っていないため、部門・部署の状況を探りやすいですし、OB・OGは、すでにその部門・部署からは一歩離れた立場にあるため、「実はこういう傾向があるよ」と教えてもらいやすいです。
エンゲージメントサーベイを実施していない場合は、「感情的報酬に関する実態調査」の調査内容を参考にして、自社の従業員は感情的報酬がどの程度充足しているのか確認してみましょう。
感情的報酬の充足に寄与する施策を実施、あるいは、施策を思い切ってやめてみる
前回紹介したように、調査結果では、感情的報酬の完全充足は危ないものの、最適な状態で充足することは組織の健全性を強化する観点で有効と考えられました。
本調査では報酬の重視度と充足度を尋ねています。まず重視度については、有形の金銭的報酬は6段階評価で平均4.50と高い一方、福利厚生などの有形の非金銭的報酬(平均4.33)と無形の感情的報酬(平均4.27)は僅差でした。
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