「やりがい」がある従業員ほど、なぜ失敗を隠すのか? エンゲージメントとガバナンスの危うい関係
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「エンゲージメントを高めよ」——。人的資本経営が叫ばれる昨今、多くの総務・人事担当者が経営陣からこの号令を受けています。特に上場企業の場合は、エンゲージメントサーベイの結果をESGデータの一つとして公開することが、ESG評価に直結するため、多くの企業・組織で、業界平均と比較可能なエンゲージメントサーベイを導入しています。
ところが、私たち株式会社タンシキが実施した「感情的報酬に関する実態調査」の結果、見かけ上のエンゲージメントスコアを追い求めることには恐ろしい「罠」が潜んでいることがわかりました。前回までに、声上げ文化を支える感情的報酬の定義やエンゲージメントサーベイとの関係を整理しましたが、今回はこれをデータから確認していきます。
終わりのないエンゲージメント向上に疲れてきていませんか?
エンゲージメントサーベイの結果を部門ごとにフィードバックして各部門で向上策を検討・実施したり、経営理念・ビジョンの浸透策を実施したり、職場のコミュニケーション活性化施策を導入したり、人事評価制度を見直したり。
確かに施策を打てばスコアが上がりますが、スコアが上がっても以下のような悩みの声を聴くことがよくあります。
- スコアを向上し続けるばかりで終わりが見えない(何のためにスコアを上げているのかよくわからなくなってきた)
- 部門・職場のマネジメントに責任転嫁しているような気がする(経営・人事が部門・職場を管理するためのデータとして使われているのではないか)
- スコアが低いことと離職率に相関は見られるが、いちばんシビアな問題はそこではない(スコアの高い花形部署やエース従業員が離職することが一番痛い)
エンゲージメントが高い状態は好業績との相関があるとする調査・研究結果がたくさんありますので、エンゲージメントを向上すること自体は必要でしょう。ただし、エンゲージメントが高い状態と、エンゲージメントの数値が「見かけ上」だけ高い状態は大きく異なります。会社と従業員の両方にとって最善の状態になるための数値指標がエンゲージメントであり、お互いが苦しくなるような数値指標では、業績との相関がみられない状態で数値だけが高い状態になってしまうでしょう。前回紹介したように、エンゲージメントは感情的報酬の観点で死角を埋めることが大切です。
エンゲージメントが高い従業員は「隠ぺい」に走りやすい?
私たち株式会社タンシキ(経営・広報研究所)は、全国の就労者1059人を対象に、承認ややりがいといった「感情的報酬」の充足状況に関する実態調査を行いました。
調査概要
- 調査期間:2026年7月13日
- 調査対象:現在就労中の常勤役員または正規雇用者(従業員10名以上の企業・組織に勤務)
- 調査方法:インターネット調査
- 有効回答数:1059人
感情的報酬の実態や広報活動を含むさまざまな施策との関係を探る内容です。今回は、この調査の中から、エンゲージメントと関連する部分を紹介します(感情的報酬の実態や広報活動を含むさまざまな施策との関係は次回以降扱います)。
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