2026年8月に掲載された「総務のマニュアル」と「総務の引き出し」をご案内します。
- 総務のマニュアル:総務をはじめとするバックオフィス部門において話題のテーマの実務ノウハウを、毎月短期集中連載として複数回に分けて紹介
- 総務の引き出し:業務に直結する最新トピック(広報/労働法/労務管理/AI/採用/メンタルヘルス/コミュニケーション/リスクマネジメント/SDGs/オフィス/税務/人事教育研修)について各専門家が解説
総務のマニュアル「激変の時代を生き抜く「アンラーニング」の取り入れ方」
その成功体験が成長の邪魔になる? 変化の時代に求められる「引き算」の学び、アンラーニングとは

現代はこれまで以上に先の見通しが難しい、変化の激しい時代に入っています。技術革新は加速度的に進み、AIの活用領域も急速に広がり、仕事に求められるスキルや知識は絶えず更新され続けています。こうした環境下では、これまでのような新しい知識やスキルを足す学びだけでは不十分であり、これまで前提としてきた考え方や習慣そのものを見直すことが求められます。
一方で、企業が抱える課題として、「研修は実施しているが、現場での変化・効果に十分つながっていない」「新しいスキルやツールを学んでも、既存業務に追われて活用されない」「忙しくて余裕がなく、学びに対して消極的な人が多い」といった声もよく耳にします。総務や人事の担当者、経営層の多くが、変化の激しい時代の学びに課題を感じています。 近年注目されている「アンラーニング(Unlearning)」は、そのための学びの方法論です。本連載では「アンラーニング」をテーマに取り上げます。第1回となる今回は、その基本的な考え方と必要性について整理します。
「それ、古いから変えて」は逆効果 現場の反発を防ぎ「アンラーニング」を推進する3ステップ

第1回では、変化の激しい現代ビジネスの世界において、新しい知識を詰め込む「足し算の学び(リスキリング)」だけでなく、古い知識や成功体験を手放す「引き算の学び(アンラーニング)」も不可欠である理由を解説しました。
読者のみなさんの中には「さっそくわが社でもアンラーニングを推進しよう」と意気込まれている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、アンラーニングという言葉をいきなり使うと、「自分のこれまでの努力や実績を否定された」という心理的抵抗を生む可能性があります。「アンラーニング=これまでの知識・経験を全て捨てる」という誤解が、現場の混乱を招く原因になりかねません。
大切なのは、従業員自身が「今のやり方を変えた方が、自分にとっても組織にとってもプラスになる」と、その必要性に自発的に気付くことです。そこで今回は、現場の反発を招かず、アンラーニングを自然と促すためのステップについて解説します。
研修の熱量を風化させない! 日常業務に「アンラーニング」を落とし込み、成果を最大化する方法

前回はアンラーニングの推進ステップについて解説しました。しかし、どれほど個人が意識を高めても、前例踏襲の組織風土のままであれば、人は次第に元の行動へと戻ってしまいます。だからこそ重要なのは、アンラーニングを個人の努力で終わらせず、組織として支えていくことです。個人の変化を組織の力へと昇華させ、より大きな成果に結び付けるには何が必要なのでしょうか。
総務の引き出し(広報)
エンゲージメントサーベイを人事任せにしていない? 総務・広報だから発見できる組織改善のヒント

前回は、「声上げ文化」を支える感情的報酬の定義を紹介しました。感情的報酬は、承認や充足感など従業員の内面に生じる無形の報酬です。今回は、その具体的な内容と、組織にもたらす効果を解説します。
総務の引き出し(労働法)
退職予定者からの年休一括消化申請は拒否できる? 判例から見る「時季変更権」の行使要件を解説

近年、年次有給休暇(以下、年休)の消化率は上がってきているが、それでも消化し切れずに2年の消滅時効期間が経過して、未消化のまま年休を取得する権利(以下、年休権)を失う労働者も多い。そのため、労働者が退職直前に未消化の年休権を一括で取得する場合がある。
その一方で、企業側としては、当該の労働者が退職したあとに業務を引き継ぐ後任の労働者に対して、しっかりと引き継ぎを行わせる必要がある。そこで、今回は、年休の概要と、労働者が保有する年休権について、具体的な休暇の始期と終期を特定して時季指定をした場合に、使用者が行使できる「時季変更権」の要件と限界について解説する。
総務の引き出し(労務管理)
10月施行のパート・有期雇用労働者に関する規則改正で何が変わる? 確認すべき実務対応ポイント

2026年10月1日より、パートタイム・有期雇用労働法に関連する施行規則、同一労働同一賃金ガイドライン、および雇用管理指針が改正・施行されます。今回の改正は、パートタイム・有期雇用労働者の待遇改善をさらに進めることを目的としており、企業には労働条件の明示事項の追加や、公正な評価に基づいた賃金決定、過半数代表者の選出ルールの厳格化などが求められます。今回の改正内容と企業が実施すべき事項を確認していきましょう。
総務の引き出し(AI)
AI導入後、人に残る「判断」を上司頼みにしないために 担い手を育てるチームづくり

前回までで、ドキュメント設計とドキュメントルート設計を行い、偏在を解消しながら役割を小さく動かす方法を扱ってきました。ここまでで、人に残る仕事を固定担当者に抱え込ませず、変化に合わせて動的な役割変更ができるチームの形はかなり見えてきました。
ただし、役割を動かせることと、その体制を「生産性を保ったまま」維持できることは同じではありません。実際の現場では人員が限られるため、難しい仕事ほど再び一部の経験者へ戻りやすくなります。今回考えたいのは、このチーム体制をどう持続させるか、という点です。
この過程では人材教育にも触れますが、本稿の関心は教育論そのものではありません。動的な役割変更を続けられるように、確認・判断・統制を担える人をどう増やすかという点までを、チームデザインの範囲として捉えます。
総務の引き出し(採用)
大企業の中途シフトはピンチ? それともチャンス? 中小企業が打つべき3つの「逆張り」採用戦略

日本の採用市場で徐々に、しかし決定的な地殻変動が起きています。大企業の中途採用シフトです。日本経済新聞の「採用計画調査」によれば、主要企業の採用に占める中途比率は2023年度の37.6%から2024年度43.0%、2025年度には46.8%と過去最高を更新し続けています。新卒一括採用の牙城であったメガバンクの三菱UFJ銀行でさえも、中途採用が新卒採用を上回る計画を打ち出しました。リクルートワークス研究所の調査においても、「中途採用の割合を増やす」と答えた企業が「新卒採用の割合を増やす」企業を初めて上回っています。
この動きの本質は何か ――。身もふたもないいい方をすれば、「自分で育てる」ことをやめて、「よそが育てた人材をいただく」方向への転換です。新卒を採って5年、10年かけて一人前にするコストと時間を、他社に肩代わりさせる。「横取り作戦」と呼んでいいかもしれません。個社の経営判断としては合理的です。しかし、全員が横取りに回れば、労働市場全体では「育てる主体」が消えていきます。誰かが育てなければ、即戦力の供給源そのものが痩せ細ります。これは典型的な誤りであり、そのゆがみは必ずどこかに表れるでしょう。
総務の引き出し(メンタルヘルス)
お盆明けこそ要注意! だるさや食欲低下を「夏バテ」で終わらせない、従業員のメンタルケア

夏になると、「体がだるい」「夜よく眠れない」「食欲がない」と訴える従業員が増えてきます。本人も周囲も、「暑い時期だから仕方がない」「少し休めば元に戻るだろう」と考えがちです。
もちろん、暑さによる疲労や睡眠不足は、夏に広く見られる不調です。しかし、だるさ、不眠、食欲低下、集中力の低下といった症状は、メンタルヘルス不調の初期にも現れます。夏バテだと思ってようすを見ているうちに状態が悪化し、遅刻や欠勤が増え、長期休職に至ることもあります。
企業に求められるのは、従業員の症状から病名を推測することではありません。「夏だから」と一括りにせず、普段との違いを捉え、身体面とメンタル面の両方から必要な支援につなげることです。
総務の引き出し(コミュニケーション)
休暇中の業務連絡を完全ブロック! 夏休みを心置きなく満喫するために今すぐやるべきメール対策

みなさん、夏休みの計画は立てましたか? 日頃からがんばって働いているからこそ、休暇中は仕事を忘れてしっかりとリフレッシュしたいものですね。しかし、心配なのは、あなたが休暇中だと知らない人からスマホに電話がかかってきたり、メールが飛んできたりすることです。そこで今回は、夏休みを満喫するための、ちょっとした準備についてお伝えします。
総務の引き出し(税務)
そもそも引くべき? 計算対象は税込み・税抜きどちら? 外注先への「源泉所得税」判断ポイント

社内報の原稿をお願いしているライターさん。新入社員研修に来てもらう外部の講師。
総務の仕事をしていると、年に何度かはこうした個人への支払いが発生します。回ってきた請求書に「源泉所得税」の行があることもあれば、何も書かれていないこともあるでしょう。そのまま満額を振り込んでよいのか、会社側で差し引いてから払うのか。支払いの手が止まった経験がある方もいるのではないでしょうか。
前回の記事では、インボイス番号がない取引先への支払いを消費税の観点から見ました。ただ、請求書を確認するときに注意したいのは、それだけではありません。今回は、源泉所得税について基本から整理していきましょう。
総務の引き出し(リスクマネジメント)
もう無関心では許されない! 【10月施行】改正に向けてカスハラ対応マニュアルはどう作るのか?

2026年10月1日より、いよいよ法令としてのカスタマーハラスメント(以下、カスハラ)対策が義務化されます。これまで、条例を施行する自治体もあればしない自治体もあり、対応は一様ではありませんでしたが、この改正労働施策総合推進法は、法律になりますので日本全国の企業および団体などが対策を行わなければなりません。
この法令では、明確に「事業主」「労働者」「顧客等」という名称と、それぞれの責務が明記されています。特に事業主という明記があるからには、企業・組織はこの法令に準じた対応をしなければなりません。もちろん、労働者も顧客等も同様ですが、過去にはカスハラ対策および対応は労働者(従業員)が策定しておくという姿勢が多く見られ、事業主(役員等)はかかわらないというケースが大半でした。しかし、今回はそのようなわけにはいきません。
総務の引き出し(SDGs)
環境への配慮がモノづくりの条件に? 欧州発の新ルール「ESPR」、日本への影響は

欧州で始まった「ESPR」は、製品の作り方や売り方を根本から一変させる強力なルールです。今回は、単なる環境対策ではなく、ビジネスの前提を覆すこの規制について解説します。
本誌転載「生産性がアップするリカバリー法」
なぜ休憩しても疲れは取れないのか 明日から仕事がもっと楽になる、「正しい休み方」のヒント

パーソル総合研究所「はたらく人の休憩に関する定量調査」によると、「休憩で休めている」と感じている人は、全体のわずか5割未満にとどまりました。休憩の質は、生産性や集中力、職場全体のパフォーマンスにも影響を与えます。本連載では、効果的な休憩とは何か、個人でできる工夫や企業としてどう支援できるかを解説します。
運動や雑談が休みになることも? 7つの休養タイプで見つける自分の休み方と組織の仕組みづくり

前回は日本人の休養の現状について解説しました。今回は、「リカバリーにつながる休憩のポイント」がテーマです。これまでの休み方を見直し、戦略的に回復するためのヒントを紹介します。
連載「現場が軽くなる。総務の『仕組み化』処方箋」
社員の「モチベーション頼み」は限界? 指示待ちゼロの組織をつくる「総務の役割」3つの鉄則

「うちの社員はいわれたことしかやらない」「担当者によってやり方がバラバラで、毎回確認が必要だ」……こうした問題の根本原因は、社員の意識や会社の文化ではありません。組織に「誰もが迷わず動けるルール」が整備されていないことにあります。最終回となる今回は、識学理論の観点から、総務が「規律の管理・運用役」として機能することで、モチベーションに依存せず組織全体が自走するための手法をご紹介します。
特別企画「⾔葉が職場を変える。ウェルビーイング経営を実現するコミュニケーション実践講座」
「AIにも聞いてみて」の一言が部下のやる気を奪う? 効率化の裏で総務が守るべき「対話」の価値

「AIにも聞いてみて」――。業務効率化のためにAIを活用するのはすばらしいことですが、部下の真剣な提案に対してこの言葉だけで返してしまうと、何が失われるのでしょうか。AIは知識を与えてくれますが、社員の思いや組織の文化、信頼関係までは育めません。効率化が進む時代だからこそ、人と人が向き合う対話の価値は高まっています。今回は、人と会社をつなぐ総務の視点から、AI時代にこそ大切にしたい人と人とのコミュニケーションについて考えます。
※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。
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