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2004年創業、「情報に価値を、企業に変革を、社会に未来を。」を企業理念に掲げる国産ソフトウエアメーカー、ウイングアーク1st株式会社。2020年、コロナ禍を受けて、一部導入していたリモートワークを標準化。「"脱"オフィス」「"脱"ハンコ」「"脱"出社」の「3つの"脱"」の施策で、レガシーワークスタイルからの脱却を進めている。
取材・文◎石田ゆう子
1、「"脱"オフィス」 社員の執務エリアを撤廃
東京では、約4950平方メートルのオフィスに約500人の従業員が勤務していた。フルリモート後も一部、管理本部などが出社していたが、社員がいないオフィスを見て、「もったいない」と感じた。社員からも「広いオフィスは無駄ではないか?」との声が上がっていた。「今後、オフィスは必要か」「オフィスを撤廃するとどんな問題が起きるのか」と、議論を重ねた。賃貸契約は2年半以上残っていた。早期解約による支出もある。だが、この状況がいつまで続くかわからない。リモートでも混乱なく業務は進められている。結論は、"脱"オフィス。2020年12月、社員の執務エリア約3,300平方メートルを返却した。
残りのフロアは、接客エリアや会議室、コラボレーションエリアだった。その一部をフリーアドレスの執務エリアや個人ワークエリア、オンラインイベントのスタジオスペースに充てた。一方で、リモート手当や、通信機器費用会社負担などの制度を整備。リモートで働きやすい環境を作ることに力を注いだ。
社員からは、オフィスというよりどころがなくなる戸惑いも聞かれたが、好意的な意見の方が多かった。1回目の緊急事態宣言解除後も、社員の働き方に大きな変化はなく、2021年2月現在、オフィスに出社しているのは、多い日で20人程度だ。「現状、業務上の問題はありません。しかし、会社としてものごとをダイナミックに進めていくには、部門を超えてのコミュニケーションが足りていない。そこは中長期的に手を打たなくてはいけない課題です」と、執行役員の吉田善幸さんは話す。
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