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1960年設立。四輪車や二輪車用シート、自動車内装品を世界14か国に提供するグローバルな部品メーカー、テイ・エス テック株式会社。同社は、企業理念「人材重視」「喜ばれる企業」の実践に向けて、会社と組合が一体となって有休取得を促進。有休繰り越し分の取得率100パーセントを20年以上継続している。
取材・文◎石田ゆう子
「有休」の本質について議論することからスタート

労政課 課長 恩田英逸さん(左)
おんだえいいつ●1991年入社。埼玉工場にて資材、生産管理領域で十数年のキャリアを重ねたのち、本社の総務部、人事部に異動となる。休日には、「旅行に行ったり、おいしいものを食べに行って、リフレッシュしています」。
人事課 課長 高橋壮宜さん(右)
たかはしもりき●2001年入社。2002年人事部に配属。アメリカ駐在、総務部も経験。キャリアのほとんどが人事領域。オフは、「小学校6年の息子を連れて遊びに出掛けたりしますが、基本は家でのんびり過ごしたい派です」。
前身は本田技研工業(以下、ホンダ)の作業服メーカーだった同社。その縫製技術を買われて二輪車用シートの生産事業を開始しておよそ60年。現在、世界14か国のグローバルネットワークを生かし、ホンダ向けの四輪車用シートや内装品、ヤマハ、スズキ、カワサキ、ハーレーダビッドソン向けの二輪車シートなど、高品質な製品を提供し続けている。
そんな同社が大切にしているのが、TSフィロソフィー。「人材重視」「喜ばれる企業」を企業理念として掲げ、現在の働き方改革に先駆けて、働く社員をサポートする環境作りを推進。そうした中、20年以上も前から取り組んできたのが、有休取得促進活動だった。
「年間総労働時間1800時間台を実現しようとの世の中の流れを受けて、労使で話し合いを始めたのがきっかけです。メリハリのある働き方を考える上で、有休というのは社員の権利であり、それを取らないのはおかしい、との声が上がり、労使で有休について議論を重ねてきました」と、人事部 労政課 課長の恩田英逸さんは話す。
会社も、社員に休んでもらい、リフレッシュしてもらいたいとの思いは当然ある。業務調整や取得状況の確認など、試行錯誤しながら推進したところ、業務が滞るわけでもない。逆にリフレッシュしてもらえれば、仕事で良いパフォーマンスを発揮してもらえる。
結果的にウィンウィンだと、労使の思いが一致した。そこから有休取得促進に取り組み続けた結果、1997年度以降、組合員の有休繰り越し分の取得率100パーセントを達成し続けている。
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