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1933年創業、エレベーターに特化したオーダーメードの意匠器具メーカー、株式会社島田電機製作所。100年企業を目指す同社では、社員のエンゲージメント向上のために多彩な施策を実施。中でも、エレベーターボタンを用いた「やる気ボタン」は、社員一人ひとりのモチベーションアップや、社内の一体感醸成に一役買っているという。
取材・文◎石田 ゆう子
100年企業を目指してエンゲージメント向上へ

鈴木 咲子(すずき さきこ)さん(左)
2006年中途入社。設計、営業職を経て、2012年総務に。現在、人事、労務、採用などを担う。趣味は食べること、手芸、動画チェックと幅広く、思い立ったらドライブにも。「今は母と買い物に行くくらいですが、家族との時間が増えて楽しいですね」。
総務部
小倉 心愛(おぐら こころ)さん(右)
2021年新卒入社。総務部企画担当。同社には80年以上、アクシデントも乗り越えてきた強さがあることが入社動機の一つだったとか。元バスケ部で、「休日は バスケをしたり、絵を描いたり。絵はスマホに指で描いて、SNSなどにアップしています」。
エレベーターの押しボタンや、表示器などの意匠器具を、開発から検査までワンストップで手掛けている同社。創業88年の知見を生かし、国内大手メーカーから、グローバルにも対応。2013年にはオフィスを拡張移転し、オンリーワンのモノづくり企業として、100年企業を目指している。そうした中、社員一人ひとりも自分らしく、オンリーワンであってほしいと、モチベーションアップの取り組みを重視。
「従業員エンゲージメントの向上を考え始めたことがきっかけです。というのも、昔から『工場』といえば『閉鎖的で黙々と製品を製造する』といったイメージを持たれやすいだけに、社員は、ただ目の前の仕事をこなすために働けばいい、との気持ちに引っ張られやすい。そうなるとモチベーション維持が難しい。そんな負の連鎖を払拭し、『自分らしくイキイキ働ける』職場をつくりたいと、モチベーションアップの施策を導入するようになりました」と、総務部主任の鈴木咲子さんは話す。その施策の中でも、ぜひ参考にしたいのが、2019年4月から始めた、エレベーターボタンを利用した「やる気ボタン」だ。
毎日、自分にエールを送る「やる気ボタン」
これは、社内製作による80センチ×80センチの特注パネルに、9列9段、合計81個のエレベーターボタンが並んでいるもの。全社員一人に一つのボタンがあって、顔写真と、自分自身で考えた「やる気を引き出す言葉」が添えられている。タイムカード機のそばに設置されていて、毎日、出社時にボタンを押して点灯し、退社時にはオフにして消灯する。このルーティンによって、オンオフの気持ちが切り替えやすいだけでなく、今、誰が出社しているのかが、ひと目でわかる。全社員の顔写真がずらりと並ぶさまは、視覚的にも一体感を感じさせてくれる。また、新しく入ってきた人の顔と名前を一致させたり、「この人はこんなことを考えているんだな」と、お互いの距離を縮める効果も。今後、人が増えれば、写真も増えていく。会社の成長と、『一体感の輪の広がり』を見える化できたのは大きい。
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