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創業から70年、「いい時間(とき)をつくる会社」とのビジョンを掲げるシマダグループ株式会社。事業間シナジーを強みとする同グループだが、コロナ禍でコミュニケーションが激減。この課題解決に向けて導入したのが、「ヨコイト」ファミリー制度だ。部署も役職も飛び越えたチーム活動が、再び社内にいい風を吹き込んでいる。
取材・文◎石田 ゆう子
コロナで冷え切った社員の体温を上げるために
1952年、世田谷区千歳烏山の1軒の精米店から始まったシマダグループ。1960年に戸建て住宅の開発分譲から不動産事業へ参入し、現在は賃貸管理、介護、保育、ホテル、飲食、旅行、酒蔵まで多様な事業を展開。その時代に合わせたほかにはない価値「いい時間(とき)」を創造し続けている。
そうしたさまざまな分野のエキスパートが交流することで生まれるシナジーを強みとしてきた同グループだが、コロナ禍でコミュニケーション機会の減少という危機に直面。「元々、事業ごとに会社は分かれていても、社員数は300人弱と、お互いの顔がわかる風通しのいい社風。コロナ前は、海外への研修旅行や、ファミリーデーと称してのお花見やバーベキューなどを実施し、サークル活動も盛んでした」と、シマダグループビジョナリーデザイン室広報の小林愛さんは話す。それが全てコロナ禍で失われてしまった。コミュニケーションが薄れることは、社員のモチベーションにも影響を及ぼし始めていた。「このままではいけない」と、サークルの部長らが久しぶりに集まって部長会を開催。人事や広報も参加し、「グループ間を交流させる何かをやりたいね」と、食事をしながらワイワイ話している中で生まれたのが、「全グループをまたいで少人数のチームを作って、自由に使える予算を与えてみたらどうかな」という提案。それが発端となり、2021年3月、部署も役職も超えて人と人で紡ぐ「ヨコイト」ファミリー制度が導入された。
自由なチーム活動によってヨコの交流を促進
「ヨコイト」ファミリー制度の目的はただ1つ。「コロナで冷え切ってしまった社員の体温を上げること」。仕組みとしては次の通り。
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