月刊総務プラス

『月刊総務』本誌記事:

【総務の現場から】社員の家族や友人に感謝を伝え、会社への理解を育むファミリーデー

2019-12-13 10:32

1997年創業の楽天株式会社。現在、「グローバル イノベーション カンパニー」のビジョンの下、70超のサービスを展開し、世界約13億人のユーザーに利用されている。そんな同社では、年に1回、社員とその家族、友人たちを招いての「ファミリーデー」を開催。7回目となる今年(2019年)は、約4,000人が参加するなど大規模なイベントになっているというので、お話をうかがった。

取材・文◎石田ゆう子

4,000人をもてなす最大級の社内イベント

 2007年、前本社に移転の際、新社屋のお披露目会として始まった、Rakuten Family Day(以下、ファミリーデー)。2015年、現本社「楽天クリムゾンハウス」(東京・二子玉川)に移転以降は、今のスタイルが定着。「日頃、社員を支えてくれているご家族やご友人を本社に招待して感謝の気持ちを伝えよう、会社やサービスを理解してもらおう、との目的で開催しています」と、人事総務統括部 総務部 コミュニケーション課 コミュニケーショングループ マネージャーの竹内麗さんは話す。
 セキュリティ上、社員と一緒でないと参加はできない。参加したい社員は同行人数をエントリー。できるだけ多くの人に来てほしいものの定員があるので、そこから抽選で招待者が決まる。今年の応募数は約6,000人。来場数は約4,000人を超えた。

毎年テーマを設定し、多彩なコンテンツを用意

 ファミリーデーの企画、運営は、楽天らしさを大切にしたいと、外部には委託せず、総務部 コミュニケーション課 Rakuten Smile Projectチームが担っている。同チームは、「社員が笑顔になって、満足度高く働ける職場を作ることで、お客さまの満足度も上げられる」との趣旨で、社内イベントに特化している組織。ファミリーデーに関しては、約4か月前から週2回ほどミーティングを実施。自分たちでコンテンツを考え、その内容に合わせて適任の部署に協力を依頼し、打ち合わせを何度も重ねて本番を迎える。毎年、テーマを設定しており、今年のテーマは、「Experience the Rakuten culture asRakutenians」。ラクテニアンというのは楽天の社員のこと。「楽天の社員のように、楽天の文化を体験してみよう、とのテーマで、12のコンテンツを用意しました」と話すのは、同チームの一人、坂下絵里さん。いちばん人気だったのは、カフェテリアでのランチ体験(抽選)。また、これまで子供向けのコンテンツが多かったとの反省から、初めて、社員の親を含むグループを対象に、社内レストランでのティータイム(有料)も用意した。「こちらで、ちょっとゆっくりしてもらおうと。ドリンクと、楽天市場で人気のあるデザートを提供しました」と、同チームの長谷川香帆さんは話す。
 ほか、鍼灸の施術や美容室などの福利厚生施設の利用体験や、オフィスツアーの一部として社長室も公開。また、創業当時から続く全社員参加の「朝会」会場もイベントスペースに。普段社員が使っているデスクなどの什器を展示し、オフィスの雰囲気を体感してもらえるようにした。また、ここでは、オリジナルの楽天Edyカード作りも実施。好評だった。
 コンテンツは、毎年、テーマに合わせて少しずつ変えている。「楽しい遊びを取り入れればいいわけではなく、今回のように、楽天Edyカード作成や開発中のプロダクト体験、プログラミング教室なども取り入れて、楽天の文化やサービスが伝わるようにしています」(竹内さん)。

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「職場を見て安心した」と家族からは好評の声が多数

 参加者の声は、主に社員アンケートで受け止めている。特に転職してきたばかりの人、外国籍の社員から、「家族が職場を見て安心してくれた」といったうれしい声が多いという。
 課題は、混雑。前回、受付の混雑が問題となったので、今回は、受付時間を5回に分け、処理速度が速いQRコードリーダーを導入。各グループに入場用のQRコードを事前に配布し、持参してもらうよう徹底した。「これで受付はスムーズになりましたが、人気のコンテンツに人が集中し、行列ができてしまった。ここは次回の課題です」(坂下さん)。回数を重ねるにつれ、ノウハウはたまってきている。混雑についても時間の分け方、パーティションの置き方などトータルに考えて解消していく。
 悩ましいのは、社員アンケートに寄せられる高い期待値にどう応えていくか。「こういう企画があったらいいのに、との声に対して、すべてを聞き入れるのは難しいところです」(長谷川さん)。また、同じことを続けていては、満足度が下がってしまう。同チームでは、すべてのイベントにおいて満足度80パーセント以上を目指している。ファミリーデーの満足度も維持し、上げていくためには改善し続けていかなくてはならない。

今後は他拠点のイベントも充実させることが目標

 ほかにも、同チームではさまざまなイベントを企画、運営している。たとえば、終日コスチューム着用OKで、夜にはパーティーも行われる「楽天ハロウィン」。また、夏には、浴衣で勤務できる「浴衣デー」も実施。社内に着付けの人を呼んで、無料で着付けをするサービスも行っている。ただ、こうしたイベントは、どうしても本社に偏りがち。そこで今年は、他拠点にも浴衣の着付け師を手配。好評だったので継続を考えている。
 今後については、支社でもファミリーデーをしたいとの声が上がっているが、「自社ビルではないので同じようには難しい。違う形でギャップを埋めていけたら、と。そして、もっと地方とのつながりを深めていきたいと考えています」(坂下さん)。
 そんな動きの一つとして、今年初めて、同チームが企画部隊として仙台支社を訪れてボウリング大会を行った。「これからも、本社、他拠点、海外も含めてワンチームというふうにしていきたい。より海外とのコネクションを強められたらと思っています」(長谷川さん)。また、チームとしては、「多様性が広がる社会にあって、性別・年齢などにかかわらず、みなさんが楽しめるような機会の創出をしていきたいところです」(竹内さん)。
 モチベーションは、やはり「社員が喜んでくれる」こと。ファミリーデーは、規模的にいちばん大きなイベント。飽きさせず、進化させることを大切に、今後も継続していく。


【会社DATA】
楽天株式会社
本社:東京都世田谷区玉川1-14-1 楽天クリムゾンハウス
設立:1997年2月7日
代表者:代表取締役会長兼社長 三木谷浩史
資本金:2,059億2,400万円(2018年12月31日現在)
従業員数:単体 6,528人 連結 1万7,214人(2018年12月31日現在)※ 使用人兼務取締役、派遣社員およびアルバイトを除く就業人員ベース
https://corp.rakuten.co.jp


楽天株式会社
人事総務統括部 総務部 コミュニケーション課 コミュニケーショングループ マネージャー 竹内 麗さん(右)
総務部 コミュニケーション課 Rakuten Smile Projectチーム 坂下絵里さん(左)
総務部 コミュニケーション課 Rakuten Smile Projectチーム 長谷川香帆さん(中央)
たけうち うらら●2010年新卒入社。楽天トラベルでの営業経験を経て、2016年現部署に。オフには、観劇や、役者・劇団運営者としての活動も。
さかした えり●2015年中途入社。前職のホテル業界時代から現職へ。趣味は、アウトドアアクティビティー。
はせがわ かほ●2019年中途入社。前職は製薬業界。オフの楽しみは、旅行をしたり、好きな音楽(J-POP&クラッシック)を聴くこと。