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名刺の肩書きについて
こんにちは。
当社は営業会社で、戦略上名刺の肩書きに、実在しない役職名や、
実際とは異なるポジションの肩書きを名刺に記載し営業をしています。
これは、法的には問題ないのでしょうか?
実際には平社員なのに、課長と書いて、あとで
「あなたをしかるべきポジションの人間だと思ったから取引を開始したのに、違うなんてある意味詐欺じゃないか?」
と言われてしまったら、本当に詐欺になるのでしょうか?
法的リスクの度合いと、許容範囲について教えていただければと思います。
よろしくお願いいたします。
先生からの回答
- 回答者:
- 内田 久美子先生
ご質問ありがとうございました。
まず、結論として、「詐欺」(民法96条)にあたるかという点ですが、原則としては「詐欺」にあたらないものと考えます。
「詐欺」とは、相手方を騙して(欺罔行為により)錯誤に陥らせ、財産上の利益を得ようとするものですが、「詐欺」が成立するためには、行為者に、「①相手方を欺罔して錯誤に陥れようとする故意」と、「②この錯誤によって(契約締結などの)意思表示をさせようとする故意」があることが必要です。
仮に、実在しない役職名や、実際とは異なるポジションの肩書きを名乗ったとしても、取引の当事者となるのは、あくまでも担当者個人ではなく「会社」であり、取引の対象も会社の商品である「物」や「サービス」ですから、おそらく、その行為者には、少なくとも②の故意はないのが通常かと思います。
また、欺罔行為が社会通念上違法と認められない程度の軽微なものである場合には、「詐欺」にはなりません。どのような場合にどの程度の欺罔行為が不問に付されるかは、ケースバイケースですが、社内の肩書きというものは、会社によってまちまちですし、部下のいない「長」もいますから、褒められたことではありませんが、仮にこの点に虚偽があったとしても、直ちに違法とはならないものと思われます。
ただし、行為者が、自分は「しかるべきポジション」にいるから、こんなに有利な条件で取引できるなど、自己の地位によって、さも相手方を優遇することができるかのような言動をし、それによって相手方が取引を決意したという場合には、「詐欺」にあたる可能性が高いものと思われます。
以上、ご参考になりましたら幸いです。
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